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頚性神経筋症候群、頚性うつの方のための「疲労回復法」 ~効率よく脳を休める方法~
頚性神経筋症候群、頚性うつの改善には、首こりや肩こりなど硬くなった首まわりの筋肉をやわらげることが必要です。
頚性神経筋症候群、頚性うつの患者さんの首こり、肩こりの原因となるものには、①加齢 ②疲労 ③緊張 ④筋肉の線維化や癒着 ⑤骨格の歪み、軸のズレによるもの、などが挙げられますが、原因はひとつではなく複数が混在しています。
(これらの原因のうち「自分の状態にどれが一番当てはまるか?」を確認するには、こちらの記事:「なぜ肩が凝るのですか? ~筋肉が硬くなる理由~ 」を読んで参考にしてください。)
特に「疲労」に関しては、現代人は「働き過ぎ(というより休息不足?)」なのでいつも溜まり気味です。
そして頚性神経筋症候群、頚性うつの方も、「身体がだるい」、「頭が重い」、「やる気が出にくい」など疲労感を抱えていることが多く、身体と心がじゅうぶんに休息できていません。
今回は「疲労」のことをテーマに、「疲労とは?」、「効率よく疲労回復させるための睡眠」について解説していきます。
現代人の多くは「脳の疲労」、頚性神経筋症候群、頚性うつの人は「過度の脳疲労」
疲れた時には「身体がだるい」と感じることが多いと思います。
ですから「身体が疲れている」と思いがちですが、疲労には「身体の疲労」と「脳の疲労」の2種類の疲労があるのです。
昨今の研究で「疲労」には、筋肉や臓器などにみられる「末梢性疲労(身体の疲労)」と、主に大脳が疲労してくる「中枢性疲労(脳の疲労)」があることが分かってきました。
もう少し詳しく説明すると、末梢性疲労とは筋肉内のエネルギー消費によって筋機能のパフォーマンスが低下した状態で、中枢性疲労とは脳細胞とそれにつながり末梢へ電気信号を送る神経の活動性が低下した状態です。
かなりざっくり言えば、末梢性疲労は筋肉自体の疲労(つまり肉体的な疲労)で、中枢性疲労は脳活動による疲労(脳疲労)とイメージすれば良いでしょう。
現代人の疲労は、頭脳労働が多く、ストレスも多いのでほとんどが「脳疲労」です。
脳がじゅうぶんに休まっていないため、疲労感もなかなか取れず、筋肉の緊張もなかなか解けずにいます。
そして研究では、筋肉を使い過ぎると筋肉痛、つまり筋肉の炎症を起こしてしまうのと同じように、脳を過度に使い過ぎると脳の温度が下がらずに炎症を起こしてしまうことが分かってきました。
(脳疲労から脳の炎症を起こしてしまったものは「筋痛性脳脊髄炎」または「慢性疲労症候群」と呼ばれます。)
これは、いわば「脳がオーバーヒートを起こしている状態」です。
頚性神経筋症候群、頚性うつの患者さんをみせていただくと、ほとんどの方に頭に「のぼせ」がみられます。
「のぼせ」から異常発汗や冷や汗などがみられる方もいますが、「のぼせ」を自覚していない方もいらっしゃいます。
「のぼせ」は、ストレスによって脳が活動し過ぎて脳の温度が下がっていない状態です。
さらに、首まわりの筋肉が硬くなり過ぎて血流が悪くなり、頭部の温度が下がらなくなっています。
脳の温度が高くなり過ぎると神経はうまく働かないため、思考力が低下したり正と負の感情のバランスが崩れやすくなることもあります。
質の良い睡眠のためには「脳の温度が下がること」が必要です
睡眠は、身体的疲労、脳疲労ともに回復させるためには重要です。
睡眠時には脳血流を減って脳温が下げ、脳を休めます。
ですが、首こりや肩こりの強い頚性神経筋症候群、頚性うつの患者さんは、首まわりの筋肉が硬くなって血流が悪いため脳の温度が下がりにくくなっています。
脳温が下がらずに脳疲労から回復していないため、思考力の低下がみられたり、自律神経のバランスが乱れてくるワケです。
当院では、脳疲労の回復とのぼせの状態(脳に熱が溜まった状態)から熱を抜くために、首すじの筋肉、頚椎への治療を施すのですが、ご自身では処置が難しいため以下のような指導を行っています。
頚性神経筋症候群、頚性うつの方におススメの疲労回復法
1.睡眠前にお風呂に浸かる
寝る前にお風呂に「浸かる」ようにしましょう。
シャワーだけで済ませるのではなく、ぬるめのお風呂に浸かって身体は温めておきます。
そうすれば、身体(首から下)は温まって血流が良くなり、相対的に脳血流が低下するので脳の温度は下げるように出来るワケですね。
効率よく身体と脳を休めるお風呂の入り方はこちらの記事:自律神経を整える ~適温のお風呂~ で詳しく解説していますので合わせてお読みください。
2.氷まくらを使う
なかなか脳の温度が下がらない頑固なのぼせのある人は、氷まくらを使うようにしましょう。
アイスノンなどの蓄冷剤ではなく、昔ながらの氷まくらの方がおススメです。
「え?身体を冷やして良いの?」と驚かれる方もいるのですが、脳がオーバーヒートしている人はそのくらいしなければ熱が抜けていかないんですよ。
試していただくと分かるのですが、脳を休めて深い睡眠が取れるので朝はスッキリ出来ますよ。
まとめ
頚性神経筋症候群、頚性うつの患者さんの首こり、肩こりの原因には、①加齢 ②疲労 ③緊張 ④筋肉の線維化や癒着 ⑤骨格の歪み、軸のズレによるもの、などがありますが、今回は脳を休めて疲労回復させる睡眠をご紹介しました。
脳の温度をしっかり下げて「脳疲労」から回復させていきましょう。
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