頭皮が硬いと〇〇になります

2024.07.27

頭皮が硬いとどうなるのか?

先日、「ブラシで髪をとくとピリピリ痛い」という患者さんが来られました。

最近は「帯状疱疹」の患者さんが増えていますので、頭皮を注意深く観察しました。

帯状疱疹は脇や背中の「肋間神経」だけでなく、顔面や頭部にも起こることがあり、頭皮を触るとピリピリしたり、くしやブラシで髪をとくと痛いという症状が出ることがあります。

視診で発疹などがなかったため、帯状疱疹は除外しましたが、頭皮が硬くピーンと突っ張った状態でした。

頭皮が硬くなると、皮膚に出てくる神経が締め付けられて過敏になったり痛みが出ることがあります。(後頭神経痛)

ブラシでとかなくても、髪の毛に触れるだけでも痛みを感じることもあります。

 

何故、頭皮が硬くなるのか?

頭皮が硬くなる理由はいくつかありますが、多くは頭の「帽状腱膜」の過緊張からくるものです。

そしてその「帽状腱膜の過緊張」の原因となっているのが、首すじから背中、肩甲骨周りの筋肉のコリ。

この方も、極度の首こりや肩こりで、頭痛もよく出るとのことでした。

 

≪頭皮を硬くする帽状腱膜と頚部、背部の筋群≫

※ 頭皮の下の「帽状腱膜」 薄い筋肉ですが、背中から首すじの筋肉からつながっていて頭部全体を覆っています。

 

※ 「帽状腱膜」につながる首すじ、背中、肩甲骨の筋肉 これらが硬くなると帽状腱膜を引っ張り硬くします

 

これらの筋肉が硬くなると、頭皮が硬くなり、頭皮に分布する神経が締め付けられて知覚過敏や痛みが出るようになります。

下の図は、首から出ている神経の様子です。

頚椎と頚椎の間から出た神経は、筋肉と筋肉の間を通り、さらに皮膚へ出てきます。

首すじから背中の筋肉が硬くなると、間を通る神経が締め付けられて緊張して過敏になります。

頭皮の硬い人には首こりや肩こりが多い理由がここにあります。

ですから、頭皮をやわらかくするために、首回り、肩甲骨周りの筋肉をやわらかくしておきましょう。

 

自宅で出来る肩こり解消ストレッチの方法

首回り、肩甲骨周りのコリを解消するストレッチをご紹介しておきます。

 

 

 

軽度のものであれば、数日続けるだけで身体が軽く感じたり、柔らかくなってくるのが実感できるようになると思いますが、運動不足が続いている方、これまでに運動習慣の少なかった方は効果を感じるまでに数週間必要かもしれません。無理のない範囲で、毎日続けていきましょう。

(※ さらに筋肉をやわらかくしたい方はこちらの記事も参考に → 筋肉が硬くなる理由 )

 

ちなみに冒頭の患者さんへの治療はこのような形で行ないました。  → 首こり、肩こり ② 頚椎のズレとコリやすい筋肉

 


頭皮のマッサージをしている方への注意点

頭皮が硬いと、顔にしわ・たるみができる、顔色がくすむ、白髪が増える、薄毛が進行する、などの恐れがあるということで、自分で頭皮のマッサージをしている…という方もいらっしゃるのですが、ちょっとご注意です。

やり過ぎないようにしてください! やり過ぎると逆効果になることがあります。

 

下の図は「頭皮の断面」です。

見ていただくとわかるのですが、一番深い所(皮下組織)で毛母細胞を栄養している毛細血管が通っています。

「血行を良くするため」にマッサージをすることは自体は悪くはありません。

ですが、やり過ぎたり力が強過ぎるとこの毛細血管を破ってしまうことがあり逆効果です。

優しく、やわらかく行うようにしてください。