尾てい骨の打撲

転倒して、尾てい骨を傷めることがままあります。

尾てい骨は解剖学的には「尾骨(びこつ)」と言います。

「シッポの名残」と言われていて、ヒトでは不要なものと思われているようですが、実は重要なところです。

 

骨折することもあり、元の位置に整復することが必要な場合もありますが、場所が場所ですのでかなり慎重に行わなければなりません。

骨折が無く、「単なる打撲」と思っていたけれど、「なかなか痛みが取れない」とか「下腹部やお尻の調子が悪い」など、長年にわたって症状が残っている方もおられます。

 

尾骨の解剖学

まずはヒトの背骨から。

下の方のオレンジ丸で囲んだところが「尾骨」です。


この周囲は「骨盤底筋群」が付着する部分です。

(下図は尾骨に付着する筋群の例)

尻もちなどをついて、尾骨や周囲の筋群を損傷し、

そこがきちんと修復されずに硬い組織になったままになると(瘢痕化といいます)、

上記の骨盤底筋が機能低下を起こし、骨盤周囲の症状や排尿・排便障害などが起こることもあります。

 


筋肉が障害されるだけでなく、神経がやられちゃうこともあります。

 

 

 

上の二つの図を見ていただくと分かるように、尾骨は背骨の一番下部に位置し、

脊髄からつながった神経が入り込んでいます。

 

 

 

 

脊髄の下の方からは、自律神経である「副交感神経」が出ていて、

骨盤内蔵器につながっています。

ここから出る神経は、直腸や膀胱、生殖器などの臓器を支配していますので、

尾骨(または尾骨周囲)を傷めてしまうとこれら臓器の機能障害を起こす可能性があるのです。

 

 


傷めてすぐに症状が出ればすぐに治療を始められるのですが、

骨折がない場合には痛みがあっても湿布などを貼ってその後は放置…というケースが多く、

損傷部が徐々に「瘢痕化」し、硬くなった組織に神経が締め付けられてだんだんと臓器の機能障害がみられるようになる…ということが結構あるのです。

 

尾骨の損傷によるこれらの機能障害は、損傷してから数か月~数年(場合によっては数十年)経ってから出現することもあり、患者さん自身も傷めたことを忘れていることも多いので注意が必要です。

(女性の場合、月経不順や生理痛などの婦人科系の問題が尾骨損傷が関与していることもあります。)

 

バレーボールやスキー、スノーボードなど、

「転倒するのが当たり前」のスポーツをされていた方などでは自覚があまりなかったりするのですが、

骨盤をみせていただくと「以前に傷めた痕跡」が残っていることがよくあります。

(尾骨が曲がっていたり、動きが悪くなっていたりしています。)

 

スポーツや階段から落ちて…などで尾骨を傷めることが多いのですが、

実は「自転車に乗る」ことで、サドルが尾骨を圧迫し傷めることもあります。

(長年にわたって自転車に乗ることが習慣化している方に多いです。)

 

 

転倒やスポーツで尻もちをついたことがあるという方や自転車に乗ることが習慣化していて、

これらの症状でお困りの方は一度ご相談ください。

 


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