後頭下筋のこりがうつ症状を招く? 心と体の意外なつながり

この記事ではなかなか治らない肩こり、首こりと「うつ症状」の関係について、基礎的な情報をまとめてあります。

 

当院での治療法については巻末の関連記事または以下の記事をお読みください。

→ NHK「ガッテン!」で紹介  ~後頭下筋群~

 

後頭下筋とは

後頭下筋は、首の付け根、頭蓋骨のすぐ下にある小さな筋肉群の総称です。具体的には、大後頭直筋、小後頭直筋、上頭斜筋、下頭斜筋の4つの筋肉を指します。これらの筋肉は、頭の重さを支え、頭部を動かすという重要な役割を担っています。

パソコンやスマートフォンの使いすぎで前傾姿勢が続くと、後頭下筋は常に緊張した状態になります。また、ストレスや目の疲れも、この筋肉のこりを引き起こす大きな原因となります。

後頭下筋のこりがうつ症状と関係するメカニズム

後頭下筋のこりが、うつ症状と直接結びついているという医学的証拠はまだ限定的ですが、多くの専門家がその関連性を指摘しています。そのメカニズムは、主に自律神経の乱れ血流の悪化にあると考えられています。

  1. 自律神経への影響
    後頭下筋のすぐ近くには、自律神経の重要なネットワークが通っています。この筋肉が慢性的に緊張すると、近くの神経が圧迫され、自律神経のバランスが乱れてしまいます。
    自律神経は、体を活動させる「交感神経」と、リラックスさせる「副交感神経」から成り立っています。交感神経が優位な状態が続くと、心身が常に緊張状態に置かれ、不眠や倦怠感、集中力低下といったうつ病に似た症状が現れることがあります。
  2. 脳への血流悪化
    後頭下筋のすぐそばには、脳へ血液を送る椎骨動脈(ついこつどうみゃく)が通っています。筋肉がこわばってこの血管を圧迫すると、脳への血流が悪化する可能性があります。脳の血流不足は、脳機能の低下を招き、気分の落ち込みや思考力の低下といった精神症状を引き起こす一因となると考えられています。

後頭下筋のこりが引き起こす様々な症状

後頭下筋のこりは、うつ症状以外にも、以下のような身体の不調を引き起こすことがあります。

  • 緊張型頭痛
    頭を締め付けられるような痛みや、後頭部の重苦しさ。
  • めまい・耳鳴り
    首の筋肉の緊張が、内耳の血流を悪化させ、バランス感覚に影響を与えることがあります。
  • 眼精疲労
    首や肩の血流が悪化することで、目の周りの筋肉にも影響が及び、目の奥の痛みやぼやけを引き起こします。

後頭下筋のこりをほぐすセルフケア

後頭下筋のこりを放置すると、心と体の不調が悪化する可能性があります。以下のセルフケアを毎日取り入れ、筋肉をほぐしましょう。

  1. 首のストレッチ
    ゆっくりと首を前後に傾けたり、左右にひねったりします。無理な力を加えずに、気持ち良いと感じる範囲で行いましょう。
  2. ツボ押しマッサージ
    親指で、首の付け根、頭蓋骨のくぼみをやさしく押してみましょう。痛気持ち良いと感じる場所が、後頭下筋のツボです。
  3. 温める
    温かいタオルやカイロで首の後ろを温めることで、血行が促進され、筋肉の緊張が和らぎます。
  4. 正しい姿勢を意識する
    パソコン作業をする際は、画面を目線の高さに合わせ、猫背にならないように注意しましょう。

医療機関を受診する目安

セルフケアを続けても症状が改善しない場合や、以下のような症状がみられる場合は、医療機関を受診してください。

  • 気分の落ち込みがひどく、日常生活に支障が出ている
  • 不眠や食欲不振が続いている
  • 激しい頭痛やしびれ、めまいがある

これらの症状は、うつ病や他の病気が原因である可能性も考えられます。心療内科や整形外科で専門医の診断を受け、適切な治療法を見つけましょう。

まとめ

後頭下筋のこりと、うつ病に似た精神症状には、自律神経や血流を介した関連性が指摘されています。

日々の生活で、首の筋肉に負担をかけないよう意識し、ストレッチやマッサージでこりをほぐすことは、心と体の健康を保つ上で非常に重要です。もし、慢性的なこりと気分の落ち込みに悩んでいるなら、一人で抱え込まず、まずは専門家に相談してみてください。