首こり、肩こり ① レッドフラッグサイン 危険な症状

首こりや肩こりの病態としては「筋肉が硬くなっている」というのが大半で、マッサージで揉んだり押したり、軟らかくするためにストレッチしたりして症状を和らげていることが多いようです。

しかし、首こりや肩こりの原因となるものには、命に関わるような疾患や脳や脊髄の疾患、気づかないうちに骨折を起こしているなど、注意すべきものがあります。

以下に例を挙げておきます。

これらは悪化させてしまう恐れがありますので、安易に揉んだり押したりしないようにしてください。

1.脊柱(頚椎、胸椎)の骨折

外傷(スポーツ時、交通事故など)によるものであれば受傷したことを自覚出来ますが、骨粗しょう症の方やステロイド剤の副作用による骨塩量の減少がある場合などでは、自覚なく発生することがあります。稀に、原因のわからない「自然発生」の場合もあります。

2.腫瘍(がんの病歴、原因不明な体重減少、全身症状のあるもの、1ヶ月の治療で改善傾向がないもの)

一定期間の治療でも改善しなかったり、首こりや肩こり以外の全身症状、原因不明の体重減少などがみられる場合、腫瘍の存在も疑われます。これまでにどこかの癌の病歴があれば、再発や脊椎への癌転移なども疑われます。

3.全身炎症疾患(強直性脊椎炎、炎症性関節炎、リウマチなど)

脊椎(せぼね)や脊椎周囲の靭帯や関節に炎症が出る「強直性脊椎炎」や、関節リウマチなど関節に炎症が出やすい病気では、関節周囲の筋群に炎症や硬さが出ることがあります。

4.感染症

一般的な風邪やインフルエンザなど、発熱時や発熱後に筋肉が熱を持ったり硬くなることがあります。
自己免疫で解決のつくものは一時的なもので心配は要りませんが、一部の感染症では長期化するものもあります。
(尿路感染、皮膚感染、薬物長期使用による免疫力低下など)

5.頸髄障害

頚椎の中を通る「頚髄」に損傷などを受けているもの。
スポーツや交通事故、転落や転倒による損傷や頚部ヘルニア、頚椎の変形や靭帯の変性により徐々に少しずつ圧迫されて起こるものもあります。
いずれも、筋肉が硬くなるだけでなく、痺れや麻痺、感覚障害などがみられたりすることがあります。

6.頚椎や頚部手術の既往歴

手術後に軟部組織の癒着、瘢痕化や骨棘形成などの退行性変性を起こす事があります。それらの部位によっては神経根や脊髄を圧迫することもあります。頚部からは手足に向かう神経が集まっており、放置しておくと手足の痺れや麻痺、半身不随など重篤な症状を起こすケースもあります。

7.内科的疾患の関連痛

これらの疾患をご自身でみつけることは困難と思われます。
症状が強かったり、長期に亘って症状の改善がみられない場合、医療機関で診察、検査が必要と思われます。

下図は、「内科的疾患の際にみられる関連痛の場所」を示したものです。

内科的疾患で臓器に問題が発生すると、これらの部位に痛みやだるさ、痺れなどがみられることがありますので参考になさってください。

(※ これらの部位に痛みがあるからといって、必ず病気ということではありません。)

その他にも、病気の症状として首こり、肩こりがあり、適切な処置をせずに放置しておくと悪化してしまうものはたくさんあります。

「気持ちいいから」とか、「一時的には楽になるから」といってマッサージなどでその場しのぎを繰り返すことなく、適切な医療機関で診てもらうようにしましょう。


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