自律神経を整える ~妊活中の方向け~

女性も男性も健康な身体を保つためには「自律神経」のバランスが整っていることが必要です。

不妊治療のための検査をしてもはっきりとした原因が特定できない場合、自律神経のバランスが崩れているせいなのかもしれません。

特に、日常的に「精神的ストレス」を感じているのであれば、「緊張と緩和のバランス」が崩れて自律神経が傷んでしまっている可能性が高いです。

自律神経のダメージはすぐに症状として現れるのではなく、軽症の場合は

「何となくスッキリしない」とか「ちょっとしんどい」という日常的な疲労感として感じることが多いです。

ですから、しっかり休養を取っていれば回復してくれるのですが、「ストレスが続いている」とか「休養が足りない」という方は自律神経の傷み方が進行しているかもしれないのでご注意ください。

 

ストレスと自律神経

「精神的ストレス」が自律神経を乱し、ホルモンバランスも崩してしまうことはよく知られています。

『あまりストレスをためないようにしましょう』

『ストレス解消しましょう』

『あまり気にせずに』

…と言われても、なかなか難しいものです。

 


精神的ストレス以外のストレス

上述のように自律神経バランスの崩れには「精神的ストレス」を問題とする場合が多いのですが、神経に加わるストレスには「精神的ストレス」だけでなく、圧迫や牽引(引き伸ばし)、締めつけなどの「物理的ストレス」があります。

下図は神経の基本的な形です。

神経には「運動神経」、「感覚神経」、「自律神経」の3種類があり、太さや長さに違いがありますが基本的には全てこのような形をしています。

ヒトデみたいなところが「神経細胞体」といい、そこからコードのように長く伸びているところを「神経線維」と言います。

「神経線維」は上述の圧迫、牽引、締めつけなどの「物理的ストレス」によって障害されます。

「椎間板ヘルニア」や「脊柱管狭窄症」、「坐骨神経痛」などが代表例ですね。

 

上述の3種類のうち、「運動神経」は骨格筋を支配し、脳からの命令を各筋肉に伝えて身体を動かします。

もしも、「運動神経」が物理的ストレスによる障害を受ければ、筋肉を動かせなくなったり(運動麻痺)筋力が低下したりします。

同じように「感覚神経」が障害を受ければ、感覚が鈍くなったり感じなくなったりします。(感覚麻痺)

「自律神経」は身体全体の臓器や血管につながっていますので、物理的ストレスを受ければ内臓機能が低下する可能性があります。そして、「自律神経」の支配している範囲はとても広く、障害を受けることで多彩な症状を呈します。(自律神経失調症状)

 


男女の自律神経

下図は男女の生殖機能に関わる自律神経を示した図です。

赤い線は「交感神経」、青い線は「副交感神経」になります。


卵巣、子宮を調節する自律神経

次の図は、卵巣、子宮を支配している自律神経の解剖図です。

腰椎に沿って、上下につながっているのが分かると思います。(交感神経幹の腰神経節)

腰椎の横に位置していますから、何らかの形で腰椎がずれたり歪みが出てくると

圧迫ストレスや牽引ストレスを 受けやすくなります。

圧迫、牽引などの物理的ストレスを受けた神経は、神経線維(コードの役割をしています)内の電気信号の伝達機能を低下させ、自律神経に支配されている卵巣、子宮などの働きを鈍らせる可能性があります。

 

腰椎のズレは、交通事故やこれまでのスポーツ経験など「過度のストレス」によって発生することもありますが、日常生活での不良姿勢や動かし方の癖などの習慣によっても起こります。

特に、腰椎を含めた「体幹」の歪みは、土台となる「骨盤」の歪みから発生することが多く、「足組み」や「横寝」、「運動不足」などの悪習慣が思い当たる方はそれに気をつけることから始めてみましょう。

 

※ 背骨、骨盤の問題からくる自律神経障害についてはこちらをお読みください

→ 自律神経を整える ~背骨と自律神経の関係~

※ 「妊活中」の方で、東洋医学的アプローチに興味のある方はこちらもお読みください。

まとめ

「自律神経」は、「精神的ストレス」など情動による影響を受けますが、

他の神経(運動神経、感覚神経)と同じように「物理的ストレス」によっても障害を受けます。

「精神的ストレス」を解消することも重要ですが、脊柱の歪みや骨盤の歪みなどから自律神経が受ける「物理的ストレス」を解消することも必要です。

自律神経の乱れで妊活がうまくいかず、姿勢の悪さや背骨の歪み、骨盤のズレなどが気になるのであれば、

大なり小なり自律神経への物理的ストレスが関与しているのかもしれません。

 


自律神経を整えるアプローチ

当院では自律神経を整えるために特殊なローラーを使い、脊柱の配列を正常化し、体幹の保持と安定を図る処置を行っております。

骨盤の傾き、バランスを整え、体幹・脊柱の捻じれを解消し、自律神経への物理的ストレスを減らすことを目的としています。

 

お困りの方は、初回の無料カウンセリングをご利用ください。

問診、各種スクリーニングを受けていただいた後、治療法、治療の組み立てをご相談させていただきます。

(尚、初回カウンセリング時の治療は行っておりませんのでご了承ください。)

 


※ 自律神経だけでなく「骨盤の歪み」などが気になる方はこちらもお読みください → 「不妊」と「整体」「骨盤矯正」

※ 自律神経失調の症状があり、首こり、肩こり、頭痛などの併発症状がある場合、頚椎のズレ、後頭下筋に問題があるかもしれません。思い当たる方は以下の記事もお読みください。

 

● NHK「ガッテン!」で紹介  ~後頭下筋群~ 

● 後頭下筋への治療についての考察(トリガーポイント、頚性神経筋症候群、筋硬結など)

 


ご相談、お問合せはお電話(06-6334-0086) または以下のお問合せフォームからお願いいたします。

https://funa-in.com/contact/

 


参考: 近藤裕子, et al. 星状神経節低反応レベルレーザー照射による僧帽筋血流と筋硬度の変化. 日本ペインクリニック学会誌, 2017, 24.1: 8-11.