自律神経を整える ~背骨と自律神経の関係~

自律神経失調症とは自律神経のバランスの乱れから心身にさまざまな症状をきたす状態のことで、病名ではありません。

自律神経のバランスが崩れる原因も様々で、仕事や人間関係などの精神的ストレス、慢性的な疲労による身体的ストレスなども絡み合います。不規則な生活習慣や更年期障害による女性ホルモンの減少も自律神経の乱れにつながることがあります。

軽度のうつ病、不安神経症、気分障害の症状の一部として起こることもありますが、睡眠障害がある人や急激に環境が変化したり、精神的ストレスが強過ぎたり長く続いている人にもみられるようになります。

一般的な治療法としては、「精神的ストレス」は悪化要因となりやすいため、ストレスの解消、緩和を行ない、身体と心を休められるような生活習慣の改善をおこなっていくことが勧められます。(薬物療法を勧められる場合もあります)

自律神経失調症にお困りの方は、「精神的ストレスが悪化要因であること」を経験的にも分かっておられるので、「自分でもストレスを何とかしたい」と色々と工夫されています。しかし、「精神的なストレスは無くならない」ためなかなか改善されず、悪循環から抜け出せないケースも多いようです。

ですが、自律神経失調症の原因は「精神的ストレス」だけではなく、「物理的ストレス」のこともあるのです。

そのことを、順を追って説明していきますので最後まで読んでみてください。

 

神経は圧迫や牽引、締めつけられるのに弱い

「椎間板ヘルニア」や「脊柱管狭窄症」に代表されるように、

神経は圧迫や牽引、締めつけ応力など物理的ストレスに弱いです。

物理的ストレスによって神経の働きが鈍くなり、様々な症状が出てきます。

 

 


神経の種類とストレス

 

神経には、筋肉を動かすための「運動神経」、様々な感覚を脳へ伝える「感覚神経」、内臓や血管などを調節する「自律神経(交感神経と副交感神経の2種類があります)」に分けられます。

もしも「運動神経」が圧迫や牽引ストレスを受けると、筋肉を動かしにくくなったり筋力が衰えたり(運動困難)、動かなくなったりすることがあります(運動麻痺)。

 

「感覚神経」がやられちゃうと、感覚が鈍くなったり鋭くなったり(感覚異常)、全く感じなくなることもあります(感覚麻痺)。

 

「自律神経」も同じように、物理的ストレスによって障害を受けることからの症状が出ますが、下図のように自律神経は全身につながっており複雑で多彩な症状となりやすいです。

そして自律神経の中枢は脳の「視床下部」というところで、

脳へのストレス(言い換えると「精神的なストレス」)の影響を受けやすく、

自律神経は圧迫や牽引などの「物理的ストレス」と「精神的ストレス」によって傷んでいくということになります。

 


自律神経へのストレス

上述の通り、自律神経は物理的、精神的ストレスによって傷んでいくワケですが、

精神的ストレスの回復、調整にはレベルによって様々なアプローチが必要ですし、

簡単に変えられるものではないため、別記事でご紹介する予定です。

 

物理的ストレスには「交感神経節への圧迫、牽引ストレス」が考えられます。

下図は自律神経のうち交感神経節の位置を示しています。

ご覧になると分かると思いますが脊柱(せぼね)に沿って位置し、交感神経節を経由して全身の臓器、血管に分布します。

これはいわば「交感神経の根っこ」に当たる部分ですので、もしも脊柱の歪みや捻じれが発生すると、神経が圧迫されたり引っ張られたりして傷みやすくなります。(これが自律神経失調症状の原因となる可能性があります)

下の図は首の横を通る自律神経(交感神経)の様子です。

頚椎(首の骨)のすぐ横に位置していますので、

首の骨のズレや歪み、首の筋肉の硬さによって、圧迫や締め付けのストレスを受けやすいのです。

頚部交感神経節は頭部、顔面だけでなく、広い範囲で分布しますので圧迫や締め付けによって、

首こり、肩こり、めまい、ふらつき、頭痛、耳鳴り、うつ症状や不安感、など様々な症状が出現します。

 

【参考文献】

胸郭出口症候群の自律神経障害 ~臨床的・基礎的側面~

北村歳男、山鹿眞紀夫、井出淳二、高木克公(熊本大学医学部整形外科教室)、診療新社

 


自律神経を整えるアプローチ

当院では自律神経を整えるために特殊なローラーを使い、脊柱の配列を正常化し、体幹の保持と安定を図る処置を行っております。
お困りの方は、初回の無料カウンセリングをご利用ください。
問診、各種スクリーニングを受けていただいた後、治療法、治療の組み立てをご相談させていただきます。
(尚、初回カウンセリング時の治療は行っておりませんのでご了承ください。)

※ 自律神経失調の症状があり、首こり、肩こり、頭痛などの併発症状がある場合、頚椎のズレ、後頭下筋に問題があるかもしれません。思い当たる方は以下の記事もお読みください。

 

● NHK「ガッテン!」で紹介  ~後頭下筋群~ 

● 後頭下筋への治療についての考察(トリガーポイント、頚性神経筋症候群、筋硬結など)

 


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