足関節捻挫とは? ~痛めた時の処置、癖になる理由~

― 足首の捻挫は「靱帯だけのケガ」ではありません ―

足関節捻挫(足首の捻挫)は、日常生活やスポーツで最も多いケガのひとつです。
段差で足をひねった、走っていて着地に失敗した――そんな瞬間に起こります。

多くの場合、「靱帯が伸びた」と説明されます。
しかし実際には、

  • 靱帯
  • 関節の袋(関節包)
  • 炎症を起こす滑膜
  • 周囲の筋肉や筋膜
  • 神経のセンサー機能

といった複数の組織が同時にダメージを受けています。

だからこそ、
腫れ・痛み・ぐらつき・だるさなど、症状がいくつも重なるのです。

足関節捻挫(急性期)

― 足首が腫れる・痛む理由 ―

① 靱帯の損傷

足首の外側には、関節を支える靱帯があります。
内側にひねることで、ここが伸びたり部分的に切れたりします。

よくある症状

  • 体重をかけるとズキッと痛い
  • 歩き始めの一歩がつらい
  • 足首がグラッとする感じがある

これは足関節捻挫の中心的な症状です。

② 関節包と炎症(腫れの正体)

関節は袋状の組織(関節包)で包まれています。
強くひねるとこの袋も傷つき、炎症が起きます。

体感としては

  • 足首全体がパンパンに腫れる
  • 触ると熱っぽい
  • じっとしていてもジンジンする

靱帯の傷だけでなく、この炎症が「足首の腫れ」や「強い痛み」の原因になります。

③ 筋肉の防御反応

ケガをすると、体は足首を守ろうとします。
その結果、周囲の筋肉が無意識に緊張します。

よくある感覚

  • 足首が重い
  • ふくらはぎまで張る
  • 夕方になるとだるさが増す

これは“靱帯が治っていない”のではなく、
体の防御反応が残っている状態です。

④ 神経のセンサー機能

実は、靱帯や関節には「位置を感じるセンサー」があります。
これが傷つくと、足首の位置感覚が鈍くなります。

こんな違和感はありませんか?

  • 平らな道でも不安になる
  • 段差でまたひねりそう
  • バランスが取りづらい

ここを回復させないと、足関節捻挫は再発しやすくなります。

急性期の正しい対処法

足首の捻挫直後は、

  • 安静
  • 冷却(アイシング)
  • 圧迫
  • 挙上

が基本です。(RICE処置と言います)

ただし、
炎症だけを抑えても、筋肉や感覚機能が戻らなければ完全とは言えません。

痛みが落ち着いた後のリハビリがとても重要です。

 

※RICE処置についてはこちらの記事を

→ 応急処置の基本(RICE処置)

 

足関節捻挫(慢性期・再発)

― 足首の捻挫が癖になる理由 ―

足関節捻挫を繰り返す状態を「慢性足関節不安定症」と呼びます。

ここでは、急性期とは別の問題も関わります。

① 靱帯がゆるんでいる

一度伸びた靱帯は、元の強さに戻らないことがあります。

  • 足首が抜ける感じ
  • スポーツ復帰後に再発
  • 長時間歩くとぐらつく

② 感覚機能の低下

神経のセンサーが十分に回復していないと、

  • 暗い場所で不安定
  • バランスが悪い
  • 片足立ちが苦手

といった症状が出ます。

筋力だけ鍛えても、ここが戻らなければ再発します。

③ 筋力と反応速度の低下

足首を支える筋肉の働きが遅れると、

  • 方向転換で不安
  • 運動後に腫れがぶり返す
  • 疲れやすい

といった慢性的な症状が続きます。

再発予防のために必要なこと

足関節捻挫の再発予防には、

  • 筋力トレーニング
  • バランス訓練
  • 可動域改善
  • 必要に応じたサポーター

などを組み合わせて行うことが大切です。

どれか一つではなく、
複数の問題にアプローチすることが回復への近道です。

医療機関を受診すべきサイン

  • 強い腫れが引かない
  • 足首の痛みで歩けない
  • 何度も足関節捻挫を繰り返している

放置すると慢性化することがあります。
早めの評価が、長期的な足首の安定につながります。

まとめ

足関節捻挫は、
「靱帯が伸びただけ」のケガではありません。

  • 靱帯
  • 炎症
  • 筋肉
  • 神経の感覚機能

これらが複合的に関係しています。

腫れが引いた=完治、とは限りません。
違和感やぐらつきが残るなら、まだ整っていない層がある可能性があります。

足首の捻挫を繰り返さないためにも、
症状の奥にある“複数の原因”を理解することが大切です。

 


捻挫に関してはこちらの記事も

→ 捻挫に関する包括ガイド ~くじいた、捻った~