腰痛を治す「2つ」の方法 ~ヒトとミニチュアダックス~

2023.10.10

腰痛の原因

「四つ足動物から二足直立するようになり、腰への負担が増えたから腰痛になった。だから腰痛は二足直立するヒトの宿命である。」

ということがこれまでは定説のように言われてきました。

では、四つ足動物では腰への負担によって起こる「腰の病気」は無いのでしょうか?

ワンちゃんを飼ったことがある方やワンちゃん好きな方はご存知と思いますが、四つ足動物であるイヌ(特にミニチュアダックスなどの小型犬)には「椎間板ヘルニア」が多いんです。

「四つ足動物」ならば、二足よりも腰への負担が少ないはずなのに?です。

もしも、四つ足動物の方が腰への負担が少ないのであれば、腰痛の人は四つ這いで生活すれば良いことになります。

試していただくとすぐに体感できると思いますが、日々の生活を「四つ這い」でやってみればすぐに腰が痛くなります。(なので実際にはやらないで下さい)

つまり、「ヒトは二足で直立、二足で歩行するから腰痛が起こる」ということではなくて、

「そもそもヒトは、二足直立、二足歩行をするための骨格、関節、筋肉を備えている動物であり、それに耐えられなくなるくらい強度が落ちてしまうことが腰痛の原因である。」ということです。

ですから腰痛にならないためには、
日常生活での負担に負けないくらいの強度を保っておくことが必要です。

もしも腰痛を抱えているのであれば、
日常生活での負担に耐えられるくらいの強度を取り戻す必要があります。

もしも、日常生活で腰に受ける負担が「100kg」として、
自分の身体の強度が「120kg」あれば、負担には負けません。
(単位をkgにしていますが、あくまで例え話です。)

しかし、日常生活で腰に受ける負担が「100kg」なのに、
自分の身体の強度が「80kg」しかなかったら、負担に負けてしまいますから腰痛になるでしょう。

ですから、腰痛を抱えている方が痛みを感じないで済む方法は「2つ」しかありません。

1.日常生活で受ける負担を減らす

2.自分の身体の強度を増やす

 

どちらを選ぶかは、患者さん次第です。

しかし、ヒトの身体は「何もしなければ衰えていく」というのが原則です。

現在の身体の強度が「80kg」として、日常生活で受ける負担を「80kg以下」にしておけば、とりあえずは痛みは出ないでしょう。

しかし、身体の強度が徐々に衰えて強度が「70Kg」になってしまったら、日常生活で受ける負担を「70kg以下」にしなければなりません。

もっと身体が衰えて「50kg」になってしまったら、受ける負担を「50kg以下」にしなければならなくなります。

これは見方を変えると
「今までの日常生活を制限しなければならなくなる」ということです。

ゴルフに行くと痛みが出るなら、ゴルフは止めておきましょう。

歩くと痛みが出るならば、歩くのは止めましょう。

立っていると痛いならば、立つのを止めて座っておきましょう。

座っていて痛いのであれば、寝ておきましょう。

寝てて痛いのであれば…?

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楽な生活に切り替えていくのか?

負担に負けない身体を作っていくのか?

どちらを選ぶかは、患者さん次第です。

 

 


参考: 奥島平八郎. 腰部椎間板内圧に関する研究. 日本外科宝函, 1970, 39.1-2: 45-57.

参考: 仲田亮太, et al. 歩行時における腰椎椎間板負荷の非侵襲的な推定. 日本機械学会中国史国学生会第 49 回学生員卒業研究発表講演会, 講演番号, 2019, 107.