基本に戻って「姿勢」のことを考える ~悪い姿勢を続けているとどうなるのか?~

2023.11.20

「姿勢が悪い」という自覚のある方へ

肩こり、首こり、腰痛、膝の痛み、五十肩、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、などなど、

当院に来られる患者さんが抱えるトラブルは色々あります。

 

それぞれの患者さんの状態は違いますのでそれに合わせた治療を行っておりますが、

よく思うのは、「もう少し、姿勢を良い状態で保ってくれていたら、ここまで悪くはならなかったのかも?」

ということです。

 

「姿勢が悪い」ことが、身体にとってあまり良いことでは無い(というより悪い)というのは、

皆さん何となく知っていると思うんですが、あまり重要視してないように感じます…。

 

「姿勢を正しく保つようにすれば、色んなものが治療せずに治るかもしれないのに…。」

と感じることはとても多いんです。

 

猫背、ストレートネック、左右の肩の高さが違う、顔が歪んでいる、など、

「姿勢が悪い」ことを、自覚している人も多いんですが、

「昔から姿勢悪いって言われるんですよ~」とか、

「姿勢悪いのを何とかしたいと思ってるんですけどぉ~」とか、

「生まれつき姿勢が悪いんです」とか、

言うわりに何も対策してない…。

 

そりゃ、悪くなります。

 

ということで、「基本に戻って、姿勢のこと」を考えてみようと思います。

 


「良い姿勢」というのはこういう姿勢のことです

これは「正常な状態のモデル」です。

重たい頭を支える「頚椎」の配列が真っすぐで、頚椎の間にある「椎間板」もはみ出ることなく位置しています。

「頚椎配列」が真っすぐですから、当然のことながら「軸」も真っすぐです。

「頚椎の軸」が真っすぐであれば、それに付着している首回りの「筋群」の左右バランスも均衡が取れているので不要な筋緊張もありません。

 

「悪い姿勢」だとこういう症状が出てきます

下図は「姿勢が悪くなって、頚椎の配列が乱れた状態」です。

 

 

姿勢が悪いのが続き、「頚椎配列」が乱れると、「頚椎の軸」が曲がってきます。

「頚椎の軸」が曲がってくると、左右の筋群の緊張度が変わります。

筋肉が引き伸ばされる側は筋緊張が強く現れ、逆側は筋肉が短縮して硬くなり徐々に「線維化」を起こします。

頚椎の配列が乱れると椎間板がはみ出やすくなり、大きくはみ出てしまうと「椎間板ヘルニア」を起こします。

頚椎配列が乱れた状態が長く続くと、軟骨がすり減ってきたり、骨同士がぶつかりやすくなって、

将来的には「変形性頚椎症」に陥る可能性があります。

 

「運動器系」の障害は筋肉に始まり骨変形に終わる

運動器系の障害は、「筋肉 → 関節 → 骨」へと徐々に進行していきます。

(詳しくはこちらへ → 【参考資料】運動器系障害の病期分類 )

 

筋肉の症状から始まり、何も対策をしなければ、最終的には「骨変形」に進むということです。

 

よく耳にする話としては、若い頃にギックリ腰して病院でレントゲン撮ってもらったけど「骨には異常なし」と言われたけれど、中年になって腰痛を病院で診てもらったら「ヘルニア」と言われ、もっと歳を取ってから診てもらったら「変形性腰椎症」と言われ、さらにそこから「脊柱管狭窄症」と言われて手術した…というストーリー。

(※ その「悲しい男」の物語はこちら → 腰痛「出世魚」 )

 

この記事を読んで、

「こわ~っ」、「そうなんや、へぇ~」、「ふ~ん」で済ませずに、

今から姿勢を正すようにしていきましょう。

「正しい姿勢」を続けることで、今ある障害、症状が克服できるかもしれません。

 


「悪い姿勢」による障害についての記事です。

→ ストレートネック

→ 今晩から出来る「背骨の歪み解消法」

→ 高い枕や横向きで寝ることの弊害

→ え? アナタ、うつ伏せで寝てる人??

→ え??  アナタ、まだ うつ伏せで寝てる人???

→ え??? アナタ、うつ伏せで寝てる人??? (完結編)

→ 今晩から出来る「背骨の歪み解消法」


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