ストレートネックとはどんなものか?

Q: ストレートネックとはどのようなものですか?

 

A: 7つの頚椎は「生理的弯曲」と呼ばれるカーブを作っているのですが、そのカーブが少なくなってしまったものを「ストレートネック」と呼びます。


 

もう少し詳しくストレートネックに説明しておきますね。

正常な頚椎は適度なカーブ(生理的前弯)を持ち、その角度は30~35度の範囲と言われています。

そのカーブが真っすぐな状態に近づき、角度が30度以下になったものを「ストレートネック」と言います。

 


Q: ストレートネックになる原因にはどんなものがありますか?

パソコン作業の姿勢やスマホを見る姿勢では、頭が前に傾いてしまうのでストレートネックの肢位になります。

長時間にわたって同じ姿勢をすることで首の後ろの筋群に負担がかかり、肩こりや首こりが出やすく、重症化すると「頭痛」や「自律神経失調症」につながることもあります。


寝る時に「高い枕」を使うこともストレートネックを助長する肢位です。

まず、パソコン作業やスマホを見る時の姿勢は、下図のような感じでしょう。

この姿勢では、「頚椎の正常なカーブ」は失われ、頚椎の位置はストレートネックになっていきます。

そして、首の後ろの筋肉が引っ張られ、筋肉の緊張度が高くなり、硬くなることがわかると思います。

 

「高枕で寝る」ことは、この姿勢で寝るワケですから、頚部はストレートネックになり、

一晩中、首の後ろの筋肉は引っ張られて緊張度が高いままです。

(当然、朝起きたら筋肉は硬くなっていますので、目覚めた時から首が凝っていたり痛みがあるかもしれません)

さらにこの姿勢は首の筋肉だけでなく、頚椎の「椎間関節」にも負担をかけて「軟骨の摩耗」、「靭帯の劣化」なども引き起こします。

出来るだけパソコンやスマホは少なくし、もしも「高枕」の習慣がある人は今すぐ止めましょう。

(寝る時だけじゃなく、ソファーで寝転んで…みたいな時でも同じような姿勢になってしまいますので注意です)

 

※ もっと詳しくはこちら → 高い枕や横向きで寝ることの弊害

 


Q: ストレートネックは治りますか?

ストレートネックのほとんどが「日常生活での悪習慣」で起こりますので、程度の軽いものであれば、その悪習慣をあらためることで改善します。

 

ストレートネックを自分で治すためにやめた方が良い習慣

以下、悪習慣の例です。

1.パソコン作業 

(お仕事の場合、作業をやめることは難しいかもしれませんね…。)

2.スマホの見過ぎ

(これもやめることが難しいのかも?)

3.高枕

習慣化するとかなり危険です。

4.運動不足

「運動不足」から「筋力不足」となり、頚椎の不安定性が目立つようになり、カーブが少なくなっていきます。

 


 

筋力不足からストレートネックになっている場合には、やはり運動する必要があります。

「ストレッチ」は筋肉の「柔軟性」には効果があると思われますが、「筋力アップ」にはなりにくいでしょう。

やはり「全身運動」で、それなりの負荷をかける必要があります。

ウォーキングなどは効果的と思われます。

 

 

【参考文献: ケンダル・マクレアリー・プロバンス. 筋: 機能とテスト− 姿勢と痛み−. 栢森良二監訳. 2006. 】


 

「初期」または「軽度」のストレートネックであれば治療も不要で、上記のような習慣を変えるだけで治ります。

しかし、悪習慣が長期化している方や、「頚椎のズレ」も合併している方の場合には、

「筋肉の線維化」や「頚椎偏位の固定化」がみられることがあり、習慣を変えるだけでは改善しません。

そのような場合には治療が必要となってくると思います。

 

(※ 治療が必要となる場合についてはこちら → 治療が必要な「ストレートネック」 )

 

 

治療が必要と考えられるストレートネックについては別記事に書いてありますが、

お急ぎの方、ご不安な方は「お問合せフォーム」からお問合せください。

 

 

(お困りの方は、初回の無料カウンセリングをご利用いただくと良いと思います。問診、各種スクリーニングを受けていただいた後、治療法、治療の組み立てをご相談させていただきます。尚、初回カウンセリング時の治療は行っておりませんのでご了承ください。)


ご相談、お問合せはお電話(06-6334-0086) または以下のお問合せフォームからお願いいたします。

https://funa-in.com/contact/

 


参考: 安藤哲朗. 頸椎症の診療. 臨床神経学, 2012, 52.7: 469-479.

参考: 佐野裕基, et al. 首下がり症状を呈した変形性頸椎症症例に対する脊柱アライメントの改善を指向した理学療法介入の効果検討. 理学療法学, 2022, 49.2: 145-154.