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後頭下筋群を守るために ~やってはいけないNG集~
後頭下筋のコリを治そうとする前にやっておくべきこと
この記事は、後頭下筋群のコリや痛みでお悩みの方や後頭下筋群から起こる症状を治したいと考えておられる方に向けて、「後頭下筋群をこれ以上痛めないためにはどうすれば良いか?」ということをご紹介しています。
後頭下筋群のコリを治すために、セルフでストレッチや指圧、マッサージなどを行なってもなかなかスッキリと治らず、「どうすれば良いのか?」とお困りの方が多いようです。
後頭下筋のコリは、日常生活の不良姿勢、筋肉の過緊張を起こす寝方、運動不足、リラックス不足などの「悪習慣」から起こるものです。
治したいというお気持ちは分かるのですが、セルフでマッサージをしてもストレッチをしても悪習慣を改善しなければ、自己治癒力はじゅうぶんに発揮できません。
まずは、「これ以上、後頭下筋群にダメージを与えない」ために以下のような悪習慣をやめてみることから始めてみましょう。
目を使い過ぎること
後頭下筋群は眼球の運動と連動して緊張することが研究で分かっています。これは物を見る時に頭の位置を保持するために後頭下筋群が持つ働きです。ですから、パソコン作業や、車の運転、スマホを見るなど、目を使う機会が多いと後頭下筋群は硬くなってコリやすくなるということです。目を使うことがお仕事だと控えるのは難しいと思いますが、それ以外の時間では目を使う時間は短くするなどしておきましょう。
※ 目を使うことと後頭下筋の緊張についてくわしくはこちらの記事で → 後頭下筋シリーズ ~ 後頭下筋と眼球運動 ~
※ 参考: 平良眞也; 目島直人; 神山寛之. 後頭下筋群が衝動性眼球運動に及ぼす影響について.
高まくら
高まくらで寝ると、頚椎のカーブが少なくなり(ストレートネックの状態)、後頭下筋群を含めた首の後ろの筋肉を引き伸ばした肢位になります。
筋肉は引き伸ばされると反射的に収縮しようとしますので、高まくらの肢位では首の筋肉は過緊張を起こしコリを作りやすい状態になります。
高まくらの姿勢のように首の筋肉を引き伸ばすのは、眠る時だけでなくソファで横になってくつろいでいる時なども当てはまりますのでご注意ください。
【参考】
※ 高まくらが習慣化すると「椎骨動脈解離」を起こしやすくなるかも?という研究報告です。いつも高まくらで寝ているという方は一読ください。
→ 枕が高いと脳卒中になる? ―特発性椎骨動脈解離と高い枕の関係と、殿様枕症候群の提唱― (2024年1月30日国立研究開発法人国立循環器病研究センター)
横寝
眠る時の正常な姿勢は「仰向け」です。
「仰向け」で眠りに入り、時々寝返りをして全身の筋肉を動かしながらバランスを取り戻す、というのが正常の睡眠肢位なんですね。
ですが、首や腰を含めた背骨が歪んでいたり、骨盤の歪みがある人は、真っすぐに眠れないため横向きで寝てしまいます。
横向きで寝れば、背骨は捻じれ、首も真っすぐにならないため後頭下筋群のバランスもさらに悪くなっていきます。
出来るだけ枕を低くして、仰向けで寝ることを心がけてください。
肘まくら
横寝よりももっと首に負担のかかる姿勢です。特に上位頚椎へのストレスが強くなりますので、後頭下筋群が付着する第1頚椎、第2頚椎のズレを引き起こし、コリを助長します。
「ソファで横根 + 首を側屈」になると、さらに後頭下筋へのストレスは増えます。
うつ伏せ寝
寝る時の姿勢で最も後頭下筋への負担が大きい肢位です。
頚椎を捻じっている姿勢ですから、上位頚椎に付着する後頭下筋を引き伸ばし、習慣化すると筋線維を傷つけてしまいます。傷ついた筋線維は徐々に「線維化」や「癒着」を起こし、自力ではやわらかくできないほどに硬くなります。
しかも、うつ伏せで寝る時には左右どちらかに顔を向けますので、首の左右の可動域に差が出てくるようになります。
もしも、いつも右向きで寝ているのであれば左を向きにくくなりますし、左向きで寝ているのであれば右を向きにくくなります。(試してみると分かると思います)
後頭下筋の問題を治したいのであれば、絶対にやめるべき悪習慣です。
「うつ伏せ」+「スマホ」
ストレートネックを助長し、しかも目を使うので後頭下筋の緊張が強く現れる肢位です。こういう方は多いのではないでしょうか?
首をポキポキ鳴らす
自分で首を勢いよく回したりして「ポキッ」と音を鳴らす人がいますが、これは絶対にやめてください。
何となく気持ちいいからと、クセになっている人もいるようですが。
「指の関節をポキポキ鳴らしていると節が太くなる」という話を聞いたことはありませんか?
節が太くなってくるというのは「変形している」ということです。
これを首に当てはめると「首の骨が変形してくる」ということです。
怖いですね。
(ポキポキ鳴るというのには「キャビテーション」という現象が関わります。興味のある方は検索してみてください。)
いかがでしたか? ご自身に当てはまるものはありましたか?
これらの不良肢位の悪習慣は、後頭下筋を傷つけてしまう可能性が高いです。
普段は気にならない微細損傷かもしれませんが、傷ついた筋線維が正常に修復されないと筋線維の「線維化」、「癒着」を起こし、どんどん硬い組織になっていきます。
まずは、これらの悪習慣をやめ、自己修復力以上のダメージを後頭下筋へ与えないように気をつけてください。
【補足】
後頭下筋群のコリ、トリガーポイント化による関連痛などでお困りの患者さんの身体は「こわばり」が認められることが多いです。「常に緊張している」というか、「リラックスできていない」という感じです。
「緊張しているからコリやすい」というパターンと、「コリがあるから不快症状を感じて余計に緊張する」というパターンとがあるようです。
いずれにしても、身体をリラックスさせるようにしておきましょう。(リラクゼーション法については別記事にて)
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