「運動不足」と「免疫」と「構造免疫」

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、安倍晋三首相が7日、緊急事態を宣言しました。

対象となるのは、東京、埼玉、千葉、神奈川、大阪、兵庫、福岡です。

これで「生活リズム」「生活パターン」が変わる人も多くなるのではないでしょうか。

そのことが色々な弊害を生み出すと思われますので、注意点を書いておきますね。

 

運動不足と免疫

今回のコロナの件では外出自粛の要請が出され、休校措置、在宅勤務、テレワークなどで

自宅で過ごす時間が多くなって運動不足になっている人も多いかと思います。

ほとんどの皆さんがご存知と思いますが、適度な運動は体温を上げて免疫を活発にします。

外出を控えるからウィルス感染の機会は少なくなるけれど、

身体を動かす機会が減って、体温が上がらずに免疫力が低下してしまったら意味がありません。

安倍総理も「散歩やジョギングなどは問題ない」と言っておられましたし、

出来るだけ適度な運動を心がけましょう。

 

運動不足と構造的免疫

「構造的免疫」という言葉をご存知でしょうか?

文字通り「身体の構造による免疫機能」のことです。

「免疫」というと体内で免疫細胞などが細菌やウィルスに対して抵抗力を示すものですが、

「構造免疫」は骨格や筋肉、関節などが「物理的ストレスに対して示す抵抗力」という考え方です。

 

分かりやすい例は「骨粗しょう症」です。

「骨がスカスカになる病気」として知られていますが、これは骨を構成するカルシウムが減り、

「支柱構造」、「梁構造」が弱くなって、自分の身体の重みを支えにくくなる、

身体を動かした時の応力に耐えられなくなる、という骨の抵抗力が低下した状態なワケです。

抵抗力が下がる原因の一つは「運動不足」です。

骨に荷重をかける機会が減ることで骨の強度が下がってしまうワケですね。

 

昨今問題になっているロコモやフレイル、サルコペニアなども、この「構造的免疫」が低下した状態と言えます。

(詳しくはこちら → フレイル、ロコモ、サルコペニア )

 

ただしこれらかご高齢の方や疾患を持った人だけに当てはまるものではなく、

どんな人でも運動不足によって骨が弱くなったり、筋力が弱くなったりすると、

「身体を支える」、「関節を動かす」などの「動作による物理的ストレス」に対しての抵抗力が下がります。

 

骨格の歪みと構造的免疫

背骨は「頚椎」「胸椎」「腰椎」が、積み木のように連なって出来ています。

この「積み木」が、キレイに真っすぐ並んでいればしっかりと支えることが出来ますが、

配列が乱れてガタガタだったらどうなるでしょうか?

支えることも出来なくなりますし、しっかりと安定することが出来なくなります。

つまり「構造的免疫」が低下してくるという事ですね。

背骨の配列が乱れて「構造的免疫」が低下すると、崩れやすくなりますから

「ギックリ腰」や「寝違え」などを起こしやすくなるワケですね。

 

筋肉も使わなければ「しまり」がなくなり、たるんできます。

たるんでくると関節をしっかりと安定させることができなくなって痛めやすくなります。

 

 


 

今回の宣言で生活パターンが変わり、極端に身体を動かす機会が減ると考えられます。

通勤、通学しなくて良くなる → 歩く時間が減る → 足腰が弱くなって骨盤が歪みやすくなる。

ゴロゴロする時間が増える → 体幹の筋力が弱くなり、背骨の配列が崩れやすくなる。

…のような感じでしょうか。

 

いずれにしても「運動不足」は筋力低下や骨格配列の乱れから「構造的免疫」を低下させてしまいます。

「構造的免疫」が低下してしまうと、仕事や学校が再開し、普段通りの生活に戻った時に身体にかかる負担に対して、

抵抗できなくなっている可能性があります。

出来るだけ身体を動かすようにして、筋肉をたるませないように、骨格を安定させるようにしておきましょう。

 

※ こちらの記事もぜひ参考に → 朝、起きると首が痛い…。


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