ヒョウ柄を着た名医

2019.08.05

「五十肩」の新患さんが増えてます。

(不思議なことに、重なる時には重なるんですよね。)

 

ご存知だと思いますが「五十肩」というのは俗称で、実際には色々な種類があります。

肩を動かす筋肉を傷めて炎症が起こったものや、関節を包んでいる袋が硬くなって癒着しちゃうものとか、関節の中にカルシウムが溜まってしまうものとか、これらが合併しちゃうものとか。

なので、その患者さんの状態によって治療法を組み立てないといけないワケです。

 

不思議なことに、患者さんの周りには「名医」がたくさんいて、

「肩が痛いんか? 五十肩やな! 動かさなアカンねんで!」とか、

「肩が痛いんか? 五十肩やな! あたためなアカンねんで!」とか

親切に教えてくださります。

 

その方の状態に当てはまる処置であればよいのですが、たいていは間違ったことをしています。

 

今回の新患さん達も近所に住む「名医(迷医?)」に間違ったことを教えられ、それを素直に実行して痛みが強くなったようです…。

(その「オバちゃん」に悪気は無かったと思いますが)

 

「五十肩」だけでなくどんなものです同じですが、状態に合わせた治療を組み立てないと、さらに悪化したりこじれたりすることもありますのでご注意ください。

 


ギックリ腰、寝違えなども動かしてはいけません

ギックリ腰など、よくみられるものにも「迷医」はアドバイスしてくれます。

「ギックリ腰したんか? 運動不足やもんな! 動かさなアカンねんで!」とか、

「ギックリ腰したんか? 冷えたからやな! あたためなアカンねんで!」とか。

 

ギックリ腰は、何らかのきっかけで筋肉、関節(靭帯、軟骨、関節包)、骨が損傷を起こしています。

つまり「キズが出来た状態」ですから、動かしてはいけません。

 

確かに「運動不足」の人はギックリ腰を起こしやすくなります。

筋力が弱くなっていたり、柔軟性が悪くなっていたり、軟骨や靭帯が脆くなっていたりと、

身体にかかる負担に負けてしまいやすいような弱い状態になっています。

 

だからと言って、キズが出来た状態で動かしてしまうと余計にキズを広げてしまいます。

(キズが出来た部分が修復されてから、身体を強化するために「リハビリ」として運動が必要な場合があるということです。痛めてすぐに運動すれば良いということではありません。)

 

「キズ」が出来た部分には、炎症が起こります。

つまり「腫れてくる」ということです。

「腫れてくる」ので、温めてはいけません。冷やすべきです。

 

オバちゃんには悪気はありません。

良かれと思ってアドバイスしてくれているはずです。

…が、間違ったことも多いです。。。

 

※ 当方、近所のオバちゃんより少しは知識も技術もあると自負しておりますので、まずはご相談ください。

 


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