徒手検査法 ~頚部徒手検査法①~ 頚部椎間板ヘルニア、神経根障害

当院で行っている頚部徒手検査法

頚部の痛み、首こり、肩こりなどの際に行う徒手検査法です。

症状のみられる原因部位がどこなのか?(筋肉、関節、骨、神経など)を探るための行います。

 


垂直圧縮テスト

被験者は座位、検者は頭部から垂直方向へ圧力を加える。
疼痛が誘発される場合に陽性とする。
(解説)
疼痛誘発部位には炎症があると考えられます。炎症があると、腫れているため内圧が高まっています。圧力が加わるとさらに内圧が高くなるため疼痛が誘発されます。
疼痛のみられる部位によって、損傷、炎症のある筋肉、関節を特定することができます。
圧力が加えた際、上肢や背部へ痺れ、放散痛などがある場合には、神経根への圧迫や牽引が加わっている可能性があります。

頚部側屈テスト

患者が自動運動での可動域および疼痛の有無を確認する。その後、検者により軽く圧を加えながら可動域および疼痛の有無を確認する。
可動域の左右差、疼痛の有無、上肢や背部への痺れや放散痛があれば陽性とする。
(解説)
可動域の低下は、筋肉の硬さ(過緊張、筋線維化、癒着)だけでなく、関節の問題(軟骨の変性、関節面の変形、骨棘形成)などによって起こります。筋肉の硬さは側屈の逆側にみられることが多く、関節の問題は側屈と同側にみられることが多いです。(筋肉の硬さと関節の問題が合併している人も多いです)
痺れや放散痛がみられる場合、神経根への圧迫、牽引が加わっている可能性があります。(椎間板ヘルニア、変形性頚椎症など)

 


スパーリングテスト(頚椎側屈-回旋ー伸展テスト)

患者座位にて、検者は頭部を側屈させ、疼痛が誘発されるまたは上肢へ痺れ、放散痛がある場合を陽性とする。
さらに、検者の頭部を回旋、伸展した場合に、疼痛が誘発されるまたは上肢へ痺れ、放散痛がある場合を陽性とする。
(解説)
陽性の場合、頚椎の変形や頚椎椎間関節を構成するもの(軟骨、椎間板、靭帯、関節周囲組織)の変性によって、神経根が圧迫、牽引されるため痛みや痺れ、放散痛がみられるようになります。