猫背とはどんな状態ですか? ~猫背セルフチェック~

 

「猫背」が気になる方は「セルフチェック」をしてみましょう。

簡単に出来ますし、治る猫背なのか、治りにくい猫背なのか?もご自身でチェックできますので、最後まで読んで確認してみてくださいね。

 


【猫背セルフチェックの方法】

1.壁を背にし、かかとも壁につけて立ちます。

2.下の図のように、①後頭部 ②背中 ③お尻 ④ふくらはぎ  ⑤かかと が壁についているかどうかをチェックします。

(この時に頑張って壁につけようとしないようにしてください。あくまで、自然な状態で立った姿でチェックします。)

 

 

 

3.後頭部、または後頭部と背中の両方が壁についていない場合は「猫背」の可能性があります。

 

4.胸を張って壁に両肩がつけば正常ですが、つかない場合は「巻き肩」の可能性があります。

※ 「巻き肩」についてはこちらの記事に書いてあります。猫背に合併しやすいので参考になさってください。

→ 猫背とはどんな状態ですか? ~ 猫背のタイプ分類 ~

 

 

治る猫背なのか? 治らない猫背なのか?

猫背の原因も様々です。

「筋力が少ないのが原因?」

「筋肉が硬くなって柔軟性が低下しているのが原因?」

「背骨の靭帯が硬くなりすぎてる?」

「骨が変形している?」

…など、様々な要因が絡んでいます。(そして、要因はひとつではないことが多いです)

 

前述のセルフチェックでは「自然に立った状態」がポイントになります。

力を入れずに自然に立った状態で、猫背にならずに真っすぐ立てるなら正常です。

 

ちょっと頑張って力を入れて真っすぐ立てるなら、せぼねの可動性は残っているので「筋力不足」が一番の原因です。

真っすぐ立てるだけの筋力をつけることが出来れば「治る猫背」と言えます。

 

頑張れば真っすぐ立てるけれど、すぐにしんどくなって猫背に戻ってしまうのであれば

「筋力不足」「筋肉のスタミナ不足」ということになります。

これも筋力と筋持久力をアップさせることで克服可能な「治る猫背」です。

 

頑張っても真っすぐ立てない場合、筋肉の柔軟性が低くなって(線維化や筋膜の癒着など)せぼねの可動性が悪くなっているか、せぼねの靭帯が硬くなり過ぎてせぼねの可動性が悪くなっているか、ということになります。

筋肉の柔軟性は、体幹を中心としたストレッチや筋トレで改善できますので、これも「治る猫背」です。

(線維化、癒着は改善するのには時間がかかりますが)

 

靭帯が硬くなっていても、ストレッチや筋トレを行って運動することで徐々に柔軟性は取り戻せますので(時間はかなりかかりますが)、これも「治る猫背」です。

効果が出るまでの期間は、個人差とどれくらいの運動を行うかによって違いますが、数週間から数カ月はかかるでしょう。

あきらめずに運動を続けてみましょう。

 

いちばん「治りにくい猫背」は、骨の変形がある場合です。 (「治らない」と言っても良いかもしれません…。)

下記、参考にしてください。

 

治りにくい猫背(治らない?猫背)

筋肉や靭帯が硬くなっているものに比べ、背骨に変形が起こっている(または起こりかけている)場合の猫背は治りにくいと言えます。

まず、正常な場合の背骨です。


「椎骨」という骨が、積み木のように連なって「脊柱」を形成しています。


「椎骨」を横から見ると、長方形の形をしているのですが、これが「圧迫骨折」や「日常生活での不良姿勢習慣」で変形してくる場合があります。

高齢者で骨粗しょう症などがある場合、下図のように椎骨がへしゃげるように骨折を起こしてしまうことがあります。

若い人でも運動不足、筋力不足だと骨は弱くなっていて、少しずつ少しずつ変形は進んでいることもあります。


変形の仕方にも色々あります。


 

変形した椎骨が複数並ぶと、背骨が丸くなってしまいます。(極端に進んでしまったものを「円背(えんぱい)」と呼びます)

 

このような状態に、上記のような筋力、靭帯の柔軟性の低下などが合併すると、さすがに元の状態に戻るのは難しいと言えます。

「骨の変形」は短期間で起こるものではなく、不良姿勢や運動不足による筋力低下などの悪条件が何十年も続くことで起こります。逆に言えば、良い姿勢、適度な運動など良い条件を続ければ「骨の再生」の可能性はありますが(理論的には、です)、「何十年」もかかるでしょう。

「骨の変形」からくる猫背は、見た目だけの問題ではなく、痛みや機能障害(真っすぐ立てない、ふらつくなど)もみられるようになりますので、そのような場合の治療の目的はそれらの症状を軽減させることになります。

いずれにしても、多くの猫背は「治らない」ものではなく運動による筋力・柔軟性の改善によって克服できるもので、逆に言えば何もしなければいずれは「骨の変形」を起こし、「治らない(治りにくい)」ものに陥る可能性があります。

出来るだけ早期に対処し、将来の「骨の変形」を予防していくことをお勧めします。

 

※ 「骨の変形」を予防したい方は以下の記事もお読みください。

→ 【参考資料】運動器系障害の病期分類

→ 【参考資料】運動器系障害の病期分類 その②

 


 

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【参考文献: ケンダル・マクレアリー・プロバンス. 筋: 機能とテスト− 姿勢と痛み−. 栢森良二監訳. 2006. 】