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片噛み、横寝から顎関節症 そして顔の歪みへ…。
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「横向き寝」? 「顎関節症」? 「顔の歪み」? 「アゴのズレ」?
これをご覧になっている方は、どんなキーワードで検索してこのページにたどり着いたのでしょう?
いずれにしても、何らかの症状や不安をお持ちなのかと思います。
上記のキーワードは密接な関りがあり、放置しておくと様々な症状につながりますのでご注意ください。
「片噛み」、「横向き寝」、「横寝」などは、顎関節の位置異常(アゴのズレ)を引き起こし、将来的に「顎関節症」に陥る可能性が高くなりますし、
顎関節の位置異常(アゴのズレ)は、顔面のフォルムの異常(顔の歪み)の原因となります。
これらの発生メカニズムを書いておきますので参考になさってください。
顎関節症と顔の歪み
前回のコラムでは
「首が傾くと頭が傾き、頭が傾くとアゴがズレて顎関節症になりやすくなる。」ことを書きました。
(前回の記事 → 顎関節症と首の傾きと顔のゆがみ )

アゴのズレは「顔全体のフォルムに歪み」を起こします。
今回はその続きです。
横寝でアゴがズレる
これまでのコラムでも「寝る時の姿勢は原則として仰向け」と書いてきました。
(参考記事 → 高い枕や横向きで寝ることの弊害 )
高い枕や横向き寝は、頚部の筋群や関節を徐々に傷めてしまい、
将来的に「変形性頚椎症」の恐れがあるからですが、
「顎関節」に対しては、かなり直接的にダメージを与えます。
下の図は「横寝の際のアゴのズレ」です。

横向きに寝る事でアゴは圧迫され、ズレてしまうのです。
しかも横向きですから「頚椎」もズレやすく、
「アゴのズレ」と「頚椎のズレ」の相乗効果で「顎関節症」に陥りやすくなります。
(もうこの時点で「顔の歪み」が発生しているかもしれません…。)
片噛みでアゴがズレる
下の図は「片噛み」の時のアゴの動きです。

右で噛むことが多い人はアゴが右側に偏移します。
逆に左の顎関節は前方へズレてしまいます。
※ ズレの幅が大きくなると、あくびや食事の際に口を開けた時に「カクッ」と音が鳴るクリック現象がみられるようになります。クリック現象が頻発するようになると、顎関節の軟骨が変性を起こして元に戻りにくくなります。
※ この時点で顔面骨格の下半分が歪み、正常なバランスが崩れています。鏡などでご自身の顔を見てみると、アゴの下端部が「正中軸(真ん中の軸)を通っていないことが分かると思います。
これが長年にわたると「顎関節症」に陥る可能性が高くなります。
※ 顎関節のズレ、顔の歪みなどは、横寝だけでなく「うつ伏せ寝」で起こる事も多いです。
軽症であれば習慣を正す事で改善できる場合もありますので、以下の記事も参考になさってください。
片噛みで顔のフォルムが変わる(顔の歪み)
身体の使い方に偏りがあれば、我々の身体はそれに応じた形に「変形」していきます。
テニスなど「偏った筋肉の使い方をする競技」のプレーヤーの利き腕が太くなるのはよく知られたところですが、
「片噛み」など、左右どちらかで噛む習慣を持つ人にも同じようなことが起こります。
(※キレイになりたい方はこちらも参考に → ストレスと「ししゃもの腹」と「しかめっ面」)

「噛む」という動作をする筋肉を「咀嚼筋」と言います。
これには「咬筋」、「側頭筋」などがあります。(下図参照)

「片噛み」をしていれば左右どちらかの咀嚼筋を旺盛に使うことになりますので、当然それを繰り返していれば筋肉は発達します。逆に、使っていない側の咀嚼筋は萎縮していきます。
そして顔面の筋肉の使い方に偏りが発生し、さらに少しずつ顔面全体の骨格にズレが生じてきます。


治すためには?
顎偏位が「筋緊張の左右バランスの崩れ」だけであれば特に治療を必要とせず、横寝の習慣をやめること、片噛みの癖をやめることで改善するものが多いです。
しかし、悪習慣を改めても改善しないものや、顎偏位が「顎関節の軟骨(顎円板)」の変性や損傷によるものであれば、軟骨を正常な位置に戻す治療が必要かもしれません。
正常な位置に戻すのは比較的簡単に出来るのですが、そこで「安定」するのが難しいです。
正常位置に戻しても、横寝の習慣、片噛みの習慣に戻ってしまえばまたズレてしまうからです。
安定させるには仰向けで寝る、左右バランスよく噛む習慣を身につけたり、バランスを整えるためのトレーニングが必要となることもあります。
治療のための確認事項
1.顎関節の状態確認
「ズレ」の方向、移動幅、痛み・違和感の有無、顎関節運動に関与する筋群の触診
2.頚椎の状態確認
(顎関節のズレには頚椎の歪みが関係している場合があります。その場合、顎関節の治療だけでは安定化しづらいため頚部の治療も行う必要があります。)
3.日常生活習慣
直接的な顎関節への打撃によるズレでない場合、「日常生活習慣」によるズレがほとんどです。
「片噛み」、「横寝」はその代表的なものですが、それ以外に顎関節に悪影響を及ぼしている習慣動作を探します。
顎関節症や顔の歪みなどを起こすメカニズムは非常に複雑で難解なのですが、今回はパターンの一つをご紹介しました。
特に「安定化」には「首の問題」が関係してきますので、完治を目指すのであれば、頚部のズレを整えたうえで顎関節の処置を行う必要があります。
※ 「顎関節症」や「アゴのズレによる顔の歪み」には、顎関節の軟骨(関節円板)が関係します。
顎関節の軟骨の再生は難しく、変性や摩耗が起こると元の状態には戻らないと言われていますので、出来るだけ早い処置が望まれます。

最近は「小顔矯正」とか「顔面矯正」というものもありますが、
根本がどこにあるのかを見極めて対処しないと、徐々に、どんどん進行していきますのでご注意ください。

(顔だけではなく「背骨の歪み」にも不安がある方はこちらもお読みください → 顔の歪みは「足組み」「骨盤の歪み」から )
(こちらの記事も参考に ⇒ 手強い顎関節症とフランスパン )
(引用:西原 克成, 手嶋 通雄(2012) エネルギーを本格的に導入した「顔と口腔の医学」の樹立 日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学)
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