片噛み、横寝から顎関節症 そして顔の歪みへ…。

 


「横向き寝」? 「顎関節症」? 「顔の歪み」? 「アゴのズレ」? 「噛み合わせが悪い?」

これをご覧になっている方は、どんなキーワードで検索してこのページにたどり着いたのでしょう?

いずれにしても、何らかの症状や不安をお持ちなのかと思います。

「顔の歪み」も「顎関節症」、「アゴのズレ」の多くは偏った悪習慣から起こりますが、逆に言えば悪習慣をあらためることで改善するのです。

この記事では、「顔の歪み」、「顎関節症」を悪化させる習慣と改善の方法について書いてありますので、最後まで読んで参考になさってください。


【顎関節症、顔の歪みの原因】

「顎関節症」も「顔の歪み」も、顎の骨(下顎骨)がズレることで起こります。

 

「片噛み」、「横寝」などは、顎関節の位置異常(アゴのズレ)を引き起こし噛み合わせが悪くなるだけでなく、顔面のフォルムの異常(顔の歪み)の原因となります。しかも、将来的に「顎関節症」に陥る可能性が高くなります。

 


【片噛みでアゴがズレる(顎関節を含めた骨格のズレ)】

下の図は「片噛み」の時のアゴの動きです。

右で噛むことが多い人はアゴが右側に偏移します。逆側の左の顎関節は前方へズレてしまいます。

これが長年にわたると「顎関節症」に陥る可能性が高くなります。(顎関節症とは、あごが痛くなったり、口を開くことができなくなったり、あごを動かすとジャリとかカクッと音がしたりするなどの症状が出る病気の総称です。多くは顎関節の軟骨のズレから始まります。)

※ ズレの幅が大きくなると、あくびや食事の際に口を開けた時に「カクッ」と音が鳴るクリック現象がみられるようになります。クリック現象が頻発するようになると、顎関節の軟骨が変性を起こして元に戻りにくくなります。

※ この時点で顔面骨格の下半分が歪み、正常なバランスが崩れています。鏡などでご自身の顔を見てみると、アゴの下端部が「正中軸(真ん中の軸)を通っていないことが分かると思います。

※ 「噛み合わせが悪い」というのは、上記のように「アゴのズレ」からくるものと、歯並び(歯の生え方)からくるものがありますので、それらは分けて対処しなければなりません。(噛み合わせの悪さについては別記事にて)

 

※ 顎関節症についてはこちらも合わせてお読みください。(特にすでにアゴの問題が発生している方はお読みください。)

→ 顎関節症の分類

→ 顎関節症と首の傾きと顔のゆがみ

 


【片噛みで顔のフォルムが変わる(偏った筋肉の使い方による顔の歪み)】

身体の使い方に偏りがあれば、我々の身体はそれに応じた形に「変形」していきます。

テニスなど「偏った筋肉の使い方をする競技」のプレーヤーの利き腕が太くなるのはよく知られたところですが、

「片噛み」など、左右どちらかで噛む習慣を持つ人にも同じようなことが起こります。

(※片噛みのクセがある方はこちらも参考に → ストレスと「ししゃもの腹」と「しかめっ面」

 

「噛む」という動作をする筋肉を「咀嚼筋」と言います。

これには「咬筋」、「側頭筋」などがあります。(下図参照)

「片噛み」をしていれば左右どちらかの咀嚼筋を旺盛に使うことになりますので、当然それを繰り返していれば筋肉は発達します。逆に、使っていない側の咀嚼筋は萎縮していきます。

そして顔面の筋肉の使い方に偏りが発生し、さらに少しずつ顔面全体の骨格にズレが生じてきます。

 


【横寝でアゴがズレる】

これまでのコラムでも「寝る時の姿勢は原則として仰向け」と書いてきました。

高い枕や横向き寝は、頚部の筋群や関節を徐々に傷めてしまい、将来的に「変形性頚椎症」の恐れがあるからですが、「顎関節」に対しては、かなり直接的にダメージを与えます。

 

下の図は「横寝の際のアゴのズレ」です。

横向きに寝る事でアゴは圧迫され、ズレてしまうのです。

しかも横向きですから「頚椎」もズレやすく、「アゴのズレ」と「頚椎のズレ」の相乗効果で「顎関節症」に陥りやすくなります。(後述)

 

(参考:西原 克成, 手嶋 通雄, エネルギーを本格的に導入した「顔と口腔の医学」の樹立, 日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学, 2012, 32 巻, 1-2 号, p. 152-168,

 


【まずは「悪習慣」をあらためること → それでもダメなら首を整えましょう 】

ここまでの内容をお読みになってご自身の症状、お悩みと上記のような「悪習慣」との関連がありそうな方は、まずそれをあらためてみることで改善がみられると思います。

特に「横寝」、「うつ伏せ寝」による顎関節へのダメージは大きいので、今晩からでも変えていくようにしましょう。

 

ですが、「悪習慣をやめること」で改善されない場合は、顎関節症や顔の歪みは顎関節だけの問題ではなく「頚椎のズレ」に問題があるかもしれません。

そのような場合、マウスピースや開口訓練など歯牙や顎関節への治療だけではあまり効果がみられないことが多く、「頚椎のズレ」、「頭部の偏位」からくる「顎関節のズレ」を考慮した治療が必要になるケースもあります。

 

詳しくはこちらのコラムをお読みください。

 片噛み、横寝から顎関節症 そして顔の歪みへ…。(後編)

 


【初回無料カウンセリングのご案内】

当院では「初回無料カウンセリング」を行っております。

「初回無料カウンセリング」では、お困りの症状について問診、各種スクリーニングを受けていただいた後、「原因」を見つけ出し、それに応じた治療法、治療の組み立てをご提案させていただきます。

※ 初回カウンセリングの際には、悪化させていると思われる悪習慣を探し、改善するための日常生活指導をさせていただきます。まずはそれを一定期間実践していただき、それでも改善がみられない場合に治療開始するというスタンスで構わないと思います。

(初回カウンセリング時の治療は行っておりませんのでご了承ください)

 

「初回無料カウンセリング」へのお申し込みは、下記のお問合せフォームからお願いいたします。

https://funa-in.com/contact/

 

 


 

「顔の歪み」や「顎関節症」を悪化させる習慣についてや、改善させるための方法についてまとめてあります。

以下の記事も合わせてお読みください。

→ 顔の歪みは「足組み」「骨盤の歪み」から

→ 手強い顎関節症とフランスパン

→ 高い枕や横向きで寝ることの弊害 )

→ え? アナタ、うつ伏せで寝てる人?? )

 

※ 顎関節のズレ、顔の歪みなどは、横寝だけでなく「うつ伏せ寝」で起こる事も多いです。

軽症であれば習慣を正す事で改善できる場合もありますので、以下の記事も参考になさってください。

→ え? アナタ、うつ伏せで寝てる人??

→ え??  アナタ、まだ うつ伏せで寝てる人???

→ え??? アナタ、うつ伏せで寝てる人??? (完結編)