レントゲンでは異常が見つからない首の痛み

この記事は、首に痛みがある方で、

1.レントゲンでは異常無しと言われ

2.湿布、痛み止めを飲んでいるが

3,なかなか痛みが取れない

という方向けに、「何が原因か?」、「どのくらいで痛みは取れるのか?」、「首の痛みを治すにはどうしたら良い?」を解説していきます。

 

 

急に首に痛みが出る原因は何か?

首に痛みが出てくる原因としては、首自体に痛みの原因があると考えられる「一次性」のものと、何か他の病気の症状として首に痛みが出てくる「二次性」のものがあります。

「朝起きたら首が痛かった(寝違え、筋違え)」とか、「スポーツしていて頭をぶつけた後に痛くなった」、「交通事故で首に衝撃を受けた(いわゆるムチ打ち)」などのほとんどは、首自体に痛みの原因がある「一次性」のものです。

 

何か他の病気の症状として、首に痛みがあり頭痛を伴うものの中にはクモ膜下出血や脳腫瘍など命に関わるものもあります。

もしも、首の痛みだけではなく、頭痛、吐き気、目の症状(視力障害、視野が狭くなるなど)、手足の麻痺やけいれん、言語障害なども出ているのであれば命に関わる病気が原因かもしれませんので、出来るだけ早く医療機関を受診してください。(この記事を読んでる場合じゃないです)

 

首に痛みがあってもレントゲンでは痛みの原因がうつらないものもあります

首自体に痛みの原因があるもの(一次性のもの)には、骨に異常(変形や骨折)があるもの、関節軟骨がすり減っているとか形がいびつになっているもの、関節靭帯を痛めているもの、関節を包んでいる関節包を痛めているもの、首まわりの筋肉を痛めているもの、などがあります。

レントゲン検査をして、骨の変形や骨折があれば「変形性頚椎症」、「頚椎圧迫骨折」などの診断名がつきます。

けれど、レントゲン検査をして骨に変形や骨折がなければ、「骨には異常無し」と言われます。

そうすると、「骨には異常無しと言われたから軽症」と考える人もいるんですけれどそうとも言えないんです。

 

レントゲンには骨しか写らないので、骨には異常無し → 骨以外に痛みの原因がある → 関節軟骨か?、関節靭帯か?、関節包か?、筋肉か? を痛めている(はず)という判断になります。

軟骨や靭帯は修復力が弱く、骨よりも治りが遅い組織です。

ですから「レントゲンで骨には異常無し」であっても軽症とは言えません。。。

 

首の痛みと損傷部位

以下の図は、痛みの出やすい部位と「何を痛めているか?」の例です。

①あたまの後ろ: 上位頚椎の椎間関節(軟骨、靭帯)、後頭下筋など

②首すじの横: 椎間関節(軟骨、靭帯)、肩甲挙筋、斜角筋

③うなじ: 椎間関節、傍頚椎筋群

④肩甲骨の内側: 板状筋、半棘筋など

⑤背骨: 椎間板性のもの

※ 筋肉よりも関節(軟骨、靭帯)の方が治りが遅いことが多い

 

首の痛みと整形外科疾患についてはこちらの記事:椎間関節の異常 ~首が様々な症状の原因~ にも詳しく書いてありますので、合わせてお読みください。

 

首の痛みはどのくらいで治る?

急に痛みが出たということは、何らかのきっかけで軟骨や靭帯や関節包や筋肉のいずれか(もしくは複数)を傷つけてしまって炎症が起こっている状態と考えられます。

ですから、傷ついた部分が修復されて、炎症が鎮まれば痛みは止まります。

病院などでは修復を遅らせないために「安静」、炎症を鎮めるために「消炎鎮痛剤」、「湿布薬」などが処方されます。

 

傷ついた部分の修復と炎症が鎮まるためには、ある程度の期間が必要です。

たまに、「病院からもらった痛み止め飲んで湿布貼ったけど、『翌日』になっても痛みが止まらない」という方がいらっしゃるのですが、当たり前ですよね…。

擦り傷、切り傷でもちゃんと傷口が治るのには1週間から10日程度はかかります。

首の痛めた部分の修復と炎症が鎮まるためには、筋肉を痛めている場合は2~3週間、靭帯や関節包なら3~5週間、軟骨ならそれ以上の期間が必要です。(医学的に考えられる「適切な治癒期間」)

もしも、痛めたところがちゃんと治らないうちに無理に動かしてしまったり、炎症が鎮まっていないのにお酒を飲んだりお風呂で温めすぎたりすると治るまでの期間がどんどん延びてしまうかもしれません。

ほとんどの人が仕事や家事などで安静にも出来ず、回復を早めるための休息もじゅうぶん取れていないでしょうから、治るまでの期間は上記よりも延びがちです。

 

首の痛みはどうすれば早く治る?

痛みがある時は傷がついているということですから、今以上に傷が広がらないように動かさないようにしておきましょう。

あれこれ動かしたり、自分で押したり揉んだりする人がいますが、キズを広げてしまうおそれがあるのでやめておきましょう。

「早く治す」というよりも、「治ることを遅らせない」ということが重要です。

痛み止めや湿布に「アイシング」を併用すると炎症を早く鎮めることが出来ます。

氷を入れた氷のうで痛みのある部分を冷やしておきましょう。

 

まとめ

急に痛みが出て、レントゲン検査で骨に異常が見つからない場合、筋肉や関節を痛めている可能性が高いです。

その際の痛みは、傷がついていることと傷によって発生する炎症が原因です。

その傷と炎症が落ち着けば痛みは止まります。

筋肉を痛めている場合は2~3週間、靭帯や関節包なら3~5週間、軟骨ならそれ以上の期間が必要です。(医学的に考えられる「適切な治癒期間」)

安静に出来なかったり、自分で押したり揉んだりして傷を広げてしまった場合は「適切な治癒期間」よりも治りが遅れるので注意してください。

 


なかなか取れない首の痛みには、頚椎のズレや歪みが関わっていることがあります。

こちらの記事: 椎間関節の異常 ~首が様々な症状の原因~ に当院での頚椎治療について解説していますので合わせてお読み下さい。

 


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