足がつる患者さん ~こむらがえり~

2024.05.13

「夜中にトイレに行く時に足がつったんですけど、その後も痛みが続くんです。」という患者さんが来られました。

「足がつる」という症状はよくみられることなんですが、その後も痛みが続くという場合は少し注意が必要です。


「足がつる」というのを、医学的に小難しく言うと「限局性有痛性筋痙攣(げんきょくせいゆうつうせいきんけいれん)」と言います。

ふくらはぎや太もも、足の裏の筋肉などによく起こります。

(足裏の筋肉は足の指を動かすので、患者さんは「足の指がつった」と訴えることも多いです。)

運動選手の練習中や試合中に起こることもありますが、一般の方にも動作、姿勢の変換時や夜寝ている時に急に起こることもあります。

 

【足がつる原因】

原因と考えられているものもたくさんあり、いくつかが重なっているケースがほとんどです。

・脱水、水分摂取不足

・冷え

・筋肉疲労

・運動不足による筋肉量の減少

・薬の副作用

・糖尿病、腎臓病などの病気

・下肢静脈瘤

・足のむくみ

・脊柱管狭窄症

・扁平足

 

けいれんは、筋肉が急激にちぢこまってしまった状態ですが、筋肉自体が弱くなっていたり硬くなり過ぎたりしていると急に縮こまった時に傷ついて「肉離れ」と同じ病態となることもあるので注意が必要です。

筋肉が傷ついているのに、「足がつるのは筋肉が硬いから。だからマッサージして揉みほぐした方が良い。」と周りの人にアドバイスされて実際にやってしまうと余計に痛めてしまうこともあります。(今回の患者さんもそうでした。)

筋肉が傷ついてしまった場合には痛みが残ることがありますので、そういう場合はあまり動かさずに2~3日は様子をみて、痛みが引いてから少しずつ柔軟体操やストレッチ体操で筋肉をやわらかくしていきましょう。