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猫背とはどんな状態ですか? ~ 猫背のタイプ分類 ~
「猫背」とは一般的には背中が丸くなった状態のことを言いますが、「猫背に見える状態」にはいくつかの種類があります。
「見た目の悪さ」を気にされていることが多いのですが、首や背中の痛みや肩こり、首こりの原因となっているケースがとても多くみられます。
背筋を伸ばして胸が張れないため、息苦しさ、過呼吸の原因になったり、お腹を圧迫して胃腸、膀胱の機能障害を起こすこともあります。
その他、首筋や背部の筋群が硬くなって脳血流が悪くなり、うつ症状や気分障害の一因となっているという報告もあります。
まずはご自身の「猫背のタイプ」を見極めておきましょう。
側面から見た良い姿勢と悪い姿勢の例
1.正常(良姿勢)
垂直線が頭部から耳たぶ、肩関節、体幹の中央、大腿骨大転子、膝関節の中央の少し前、外くるぶしの少し前を通過します。
2.猫背
背中(胸椎)のカーブが正常よりも強くなり、背中が丸まった状態です。頭の重心が正常よりも前方にくるため(頭が前に落ちないようにするために)頚椎のカーブが少なくなりやすいです。(いわゆる「ストレートネック」)
3.スウェイバック
猫背とよく似ていますが、腹部が正常よりも前に位置しているため代償的に腰椎のカーブが強くなり、それに伴って胸椎のカーブが強くなることで背中の丸みが目立つ状態です。
上記2つの違いは「骨盤の傾き」です。猫背の場合、骨盤は後傾位であることが多く、スウェイバックの場合、骨盤はやや前傾位になっています。(この骨盤の傾き方が、猫背を治すための重要なポイントになります)
巻き肩
猫背が進むと「巻き肩」という状態になりやすいです。巻き肩とは、左右の肩が前内方に入り込んでいる状態です。側面から見ると、本来なら耳の直線下にあるはずの肩が耳よりも前方に位置します。胸の前面の筋肉が縮まり、首すじから肩甲骨、背中の筋肉が引き伸ばされて硬くなってきます。姿勢の悪さだけでなく、肋骨の動きが悪くなるため呼吸が浅くなって様々な不調の原因になります。
さらに、背中が丸くなると頭が前に傾いて頚椎のカーブが少なくなって「ストレートネック」になりやすくなります。
「猫背」、「巻き肩」、「ストレートネック」は合併しやすいので、どれかひとつだけを治すというよりも3つを改善させていく必要があります。
「猫背」の多くは、筋力が弱いことや筋肉が硬いことによるものなのでそれを改善すれば治りやすいのですが、筋肉が硬くなり過ぎる(線維化)や筋肉同士がくっついて動きが悪くなったもの(癒着)にまで進行すると、自分で治すことが難しくなります。出来るだけ早期に対処すべきでしょう。
【参考文献: ケンダル・マクレアリー・プロバンス. 筋: 機能とテスト− 姿勢と痛み−. 栢森良二監訳. 2006. 】
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