猫背とはどんな状態ですか? ~ 「猫背」と「骨盤」と「治すためのエクササイズ」 ~

「猫背」とは一般的には背中が丸くなった状態のことを言いますが、「猫背に見える姿勢」にはいくつかの種類があります。

頭と首が前に出て猫背に見えるものもあれば、腰から背中全体が丸くなるものもあります。

多くの場合、「背骨の土台」である骨盤が後ろに傾くことが原因となっており、日常の立ち居振る舞いや座り方、寝方などで悪化していく場合もあるので注意が必要です。

逆に、良い姿勢、バランスの良い身体の使い方を心がけることで改善が期待できるものもありますので、最後まで読んで参考になさってください。

 


【骨盤の動きと腰椎の関係】

下図は骨盤の動きと腰椎の動きの関係です。

骨盤が前傾すると、それに伴い腰椎は反りが強くなります。(前弯増強)

骨盤が後傾すると、逆に腰椎の反りが弱くなります。(腰が丸くなる状態)

 

骨盤が後ろに傾き、腰が丸くなってしまう理由には、腹筋の弱さや、腹筋と背筋の筋力バランスなどがあります。

 


【骨盤が後傾すると、猫背やストレートネックの原因になりやすい】

骨盤が後傾すると身体の重心が後方に変わるため、上半身の姿勢を変えてバランスを取ろうとします。

バランスを取るためには上半身を前方に移動させねばならないため、腰か背中が丸くなります。

このように、腰の反りが少なくなって徐々に背中、首が丸くなり、上半身が丸くなった「円背」に進んでいくのです。

 


【「猫背」を治すための3つのポイント】

猫背を治すためのポイントは、①動きを良くする(可動性の改善) ②筋力アップ ③良い姿勢を心がける の3つです。

いきなり、②筋力アップを目指してしまうと多くの人はやり過ぎて、痛みが出たり、しんどくなってすぐにくじけちゃうんです…。

ですから、最初は①動きを良くするというところから始めていきましょう。

 

猫背を治すためのファーストステップエクササイズ

背骨には「椎間関節」という関節があり、関節の中には「滑液(かつえき)」という潤滑油の働きをする液体が入っています。

この潤滑油がじゅうぶんに関節の中で機能していないと、油をさしていない機械のように「ギシギシ」動くことになり、その摩擦で筋肉を傷めたり、軟骨を傷めたりして痛みが出るようになるんですね。

まずは、関節の中の「潤滑油をじゅうぶんに回す」というイメージで、ゆっくりとした運動から始めましょう。

 

1.仰向けで寝るだけ

ただ、「寝るだけ」です。

仰向けで寝ると、腰椎のカーブは自然と反らせるような力が加わります。この時に、腰椎が反っても耐えられるくらいの柔軟性があれば何ともないのですが、硬いと痛みが出やすいです。

ですからまずは「寝ても大丈夫なくらいの柔軟性」を作っていきましょう。

仰向けに寝て、身体をリラックスさせて3分間ほど寝るだけ。

その後、次の「身体を丸める運動」を行ないます。

(※ 身体の硬い人は、腰に違和感を感じなくなるか、腰が反らせるくらいの柔軟性が出るまで数週間かかるかもしれません。)

 

 

2.寝転んで丸くなる

仰向けで寝たあと、膝と股関節を曲げて下の図のように身体を丸めます。

この時に、お尻のあたりや腰のあたりの筋肉が伸びてる感じがあれば、骨盤周りや腰の筋肉が硬くなっていたあらわれです。

ゆっくり、しっかり伸ばしてあげましょう。

 

30秒ほどキープして、「1」の仰向けに戻り、しばらく休んでまた丸くなる、を繰り返します。

どこかに痛みが出るようだったら無理せずストップです。

 

※ 注意点

頭を起こした時に、首や背中に痛みが出るような場合、頭は起こさずに行ってください。(痛みが出る方は、首に問題がある可能性が高いです。別記事にて書く予定です。)

 

「1」と「2」の運動を繰り返しても問題がなければ(痛みが出るなどがなければ)、次の「3」、「4」のエクササイズも行ってみてください。

 


以下のエクササイズは、膝と手首に負担がかかりやすいので、やわらかいマットの上や畳の上で行なうようにしましょう。

 

3.四つばいになる

 

4.四つばいのまま背中を丸める

 

四つばいの姿勢をとったあと、背中を丸める、を繰り返します。

ゆっくりと10~15回程度行ったら、「1.寝るだけ」に戻ります。

 


【まとめ】

「猫背」は骨盤が後ろに傾くことで腰椎の反りが少なくなることから始まります。

腰椎の反りを作り、猫背を治すためのポイントは、①動きを良くする(可動性の改善) ②筋力アップ ③良い姿勢を心がける の3つです。

多くの人がいきなり「筋力アップ」を目指そうとするのですが、自分の身体の状態よりも強い負荷をかけ過ぎて余計に痛めるケースがとても多いです。

まずは、関節内の潤滑油の循環を改善し、可動性を高めることからはじめるようにしましょう。

 

※ 今回は①動きを良くするためのエクササイズをご紹介しました。②筋力アップ、③良い姿勢を心がける、については別記事にてご紹介する予定です。

 


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