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椎間関節性腰痛を読み解く:背骨の「つなぎ目」で起きている組織の不調
「腰を反らせると痛い」「朝、顔を洗って体を起こす時にズキッとする」。こうした症状の多くは、背骨の後ろ側にある小さな関節、つまり「椎間関節」という組織のトラブルが原因です。
この関節は、背骨がズレないように支える大切な役割を持っていますが、周囲の筋肉や神経と密接に関わっているため、一度不調を起こすと組織同士が互いに刺激し合って、しつこい痛みを作り出してしまいます。
症状に関わる4つの重要な組織
背骨の「つなぎ目」を支える組織たちが、以下のように連動して痛みを発生させます。
1. 椎間関節の関節包(痛みを感知する繊細な膜)
背骨の節々をつなぐ関節は「関節包」という膜に包まれています。ここには痛みを感じる神経が非常に豊富に通っており、組織のわずかな挟み込みや摩擦にも敏感に反応します。
- 日常での体感例:腰を後ろに反らしたり、体をひねったりした瞬間に、ピンポイントで突き刺すような鋭い痛みが走る。
2. 脊髄後枝(痛みを伝える組織のルート)
椎間関節のすぐそばを通る小さな神経の枝です。関節の炎症や組織の腫れがこの神経を刺激し、腰だけでなくお尻や太ももにまで痛みを飛ばすことがあります。
- 日常での体感例:腰の痛みだけでなく、お尻のあたりまで「放散するような重だるさ」や違和感がある。
3. 多裂筋(背骨をミリ単位で支える筋肉)
背骨に直接くっついている深い部分の筋肉です。関節組織に異常があると、この筋肉が反射的にガチガチに硬くなり、関節をさらに圧迫してしまいます。
- 日常での体感例:椅子から立ち上がる時や、寝返りを打つ時に、腰の奥がロックされたように固まって動かしにくい。
4. 腹筋群:インナーマッスル(背骨を守る壁の組織)
お腹側から背骨を支える組織です。ここが弱くなると、背骨の後ろ側にある関節組織に過剰な体重がかかり、常に「組織が潰されている」状態になります。
- 日常での体感例:長時間立っていると、腰の反りが強くなってくる感じがし、次第に腰全体がジンジンと痛んでくる。
組織同士が引き起こす「痛みの連鎖」
椎間関節性腰痛は、関節という局所のトラブルが周囲の組織を巻き込んで悪化していきます。
- インナーマッスルが弱り、背骨の後ろ側にある椎間関節に過度な負担がかかる。
- 関節を包む関節包が挟み込まれたり炎症を起こしたりして、激しい痛みを発する。
- 痛みに反応して、深い部分の筋肉(多裂筋)が防御的に硬く縮こまる。
- 硬くなった筋肉が関節同士をさらに押し付け、神経(後枝)を刺激し続け、痛みが慢性化する。
この連鎖を解くには、関節の炎症を抑えるだけでなく、背骨を支える組織のチームワークを立て直す必要があります。
組織を整え、背骨の負担を減らすケア
関節組織にかかっている「物理的なプレッシャー」を取り除いてあげることが大切です。
- 反り腰をリセットする:太ももの前側の組織(大腿四頭筋)が硬いと腰を反らせてしまいます。ここを柔軟に保つことで、関節組織への圧迫を緩和します。
- 深い筋肉を呼び覚ます:弱くなっているお腹周りの組織(腹横筋など)を意識的に使うことで、背骨の前後のバランスを整え、関節を守る「天然のコルセット」を作ります。
- 関節の動きを滑らかにする:痛みのない範囲で優しく腰を丸める動作を行い、強張った関節包や筋肉をストレッチして血行を促します。
医療機関を受診する目安:組織からの「SOSサイン」を読み解く
「いつもの腰痛」と見過ごさず、組織が修復不能なダメージを受ける前にチェックしてください。
- 関節の炎症が慢性化しているサイン(朝一番の動き出しが毎日激しく痛む)
寝ている間に組織の柔軟性が失われ、動き出しに関節包が強く刺激されています。組織の癒着が始まっている可能性があります。 - 神経組織に刺激が波及しているサイン(お尻や太ももの横に痛みや違和感が広がってきた)
関節のトラブルが、周囲の神経ルートにまで悪影響を及ぼし始めています。放置するとしびれに変わる恐れがあります。 - 組織の支持機能が低下しているサイン(痛みで真っ直ぐ立っていられず、すぐに腰を丸めたくなる)
背骨を支える筋肉や靭帯のバランスが完全に崩れています。自力のケアだけでは、組織の歪みを戻すのが難しい段階です。
組織の損傷が疑われるサイン(重いものを持った後、動けなくなるほどの激痛に変わった)
単なる「コリ」ではなく、関節包の損傷や、微小な組織の剥離が起きている可能性があります。
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