慢性腰痛の治し方 |原因から最新の治療、自分でできる対策まで徹底解説

慢性腰痛とは

慢性腰痛(まんせいようつう)とは、腰の痛みが3ヶ月以上続く状態を指します。

「魔女の一撃」と呼ばれるぎっくり腰(急性腰痛症)と違い、慢性腰痛は明確な原因が特定できないことも少なくありません。骨や椎間板に明らかな異常がないにもかかわらず、痛みが続くケースが多く、日常生活に大きな影響を及ぼします。

日本人の約8割が一生に一度は腰痛を経験すると言われており、慢性腰痛も多くの人が抱える身近な悩みです。

慢性腰痛の主な原因とタイプ

慢性腰痛の原因は一つではなく、複数の要因が絡み合って発症することがほとんどです。

 

痛みの原因

  1. 非特異的腰痛(原因が特定できない腰痛)
    慢性腰痛の約85%を占めると言われています。レントゲンやMRIなどの画像検査では、骨や神経に明らかな異常が見つからないケースです。
    筋肉の疲労、姿勢の悪さ、運動不足などが考えられますが、最近ではストレスや心理的な要因が痛みを慢性化させる大きな原因であることがわかってきました。
    痛みを感じると、脳が「危険だ」と認識し、さらに痛みに敏感になるという悪循環が生まれます。
  2. 特異的腰痛(原因が特定できる腰痛)
    これは、画像検査などで痛みの原因がはっきりしている腰痛です。
  • 腰椎椎間板ヘルニア
    背骨のクッションである椎間板が飛び出し、神経を圧迫します。腰の痛みに加え、お尻から足にかけてのしびれや痛みを伴います。
  • 腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)
    背骨の中を通る神経の通り道が狭くなり、神経が圧迫される病気です。歩いていると足がしびれて痛くなり、少し休むとまた歩けるようになる「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」が特徴です。
  • 変形性腰椎症
    加齢によって腰の骨や椎間板が変形し、痛みを引き起こします。

慢性腰痛の治し方と治療法

慢性腰痛の治療は、痛みの原因に合わせてアプローチを変える必要があります。

 

医療機関での治療

  • 薬物療法
    痛みを和らげるために、痛み止めや、神経の興奮を鎮める薬などが処方されます。
  • リハビリテーション・理学療法
    理学療法士の指導のもと、姿勢の改善や、腰を支える筋肉を鍛えるトレーニング、ストレッチなどを行います。腰痛の根本原因にアプローチし、再発を防ぐ上で最も重要です。
  • ブロック注射
    痛みが強い場合に、神経の近くに麻酔薬などを注射し、痛みを一時的に抑える方法です。

 

心理的アプローチ

原因が特定できない慢性腰痛の場合、心理的アプローチが非常に重要です。

  • 認知行動療法
    痛みに対する考え方や捉え方を変えることで、痛みの感じ方を和らげる治療法です。専門のカウンセラーや医師が行います。

自分でできる慢性腰痛対策と予防

医療機関での治療と並行して、日々の生活で以下の対策を実践することが、痛みの改善と再発防止に繋がります。

  1. 適度な運動を続ける
    腰痛があるからといって安静にしすぎるのは逆効果です。ウォーキングや水泳など、体に負担の少ない有酸素運動を毎日続けることで、血行が良くなり、腰を支える筋肉も強くなります。
  2. 正しい姿勢を意識する
    座る時や立つ時に、骨盤を立てて背筋を伸ばすことを意識しましょう。長時間同じ姿勢でいる場合は、こまめに休憩を取り、体を動かしてください。
  3. ストレッチを行う
    お風呂上がりなど体が温まっている時に、腰や太ももの裏、お尻の筋肉をゆっくりと伸ばすストレッチを行いましょう。
  4. ストレスを溜めない
    自分なりのリフレッシュ方法を見つけて、ストレスを上手に発散することが大切です。質の良い睡眠も、痛みを和らげる上で重要です。

慢性腰痛に関するよくある質問(FAQ)

Q1 慢性腰痛は一生治りませんか?

A1 決してそんなことはありません。適切な治療とセルフケアを続けることで、痛みをコントロールし、日常生活を快適に送れるようになります。

Q2 痛みがある時は、運動しない方が良いですか?

A2 痛みが激しい急性期を除き、体を動かさないと筋肉が硬くなり、かえって痛みが悪化することがあります。無理のない範囲で、少しずつ運動を始めましょう。

Q3 どんな病院に行けば良いですか?

A3 まずは整形外科を受診しましょう。必要に応じて、ペインクリニックや専門のリハビリ施設を紹介してもらうこともあります。

Q4 骨には異常がないと言われました。どうすればいいですか?

A4 骨に異常がなくても、痛みは本物です。原因が特定できない腰痛の場合、ストレスや姿勢など、複合的な要因が考えられます。医師や理学療法士と相談しながら、多角的なアプローチで治療を進めましょう。

まとめ

慢性腰痛は、身体的な問題だけでなく、心理的な要因も大きく関わる複雑な症状です。一人で悩まず、まずは専門医に相談し、痛みの原因を正しく理解することが大切です。

そして、日々の生活に「運動」「姿勢」「ストレスケア」を取り入れ、自分自身で痛みをコントロールする力をつけていきましょう。

 

当院でのアプローチ

当院では慢性腰痛を、腰部を構成するユニット(骨、骨格、筋肉、靭帯、椎間板など)ごとに証をたて、問題のある各ユニットへアプローチする治療を組み立てております。

 

詳しくは以下の記事をお読みになってください。

 

 【参考資料】運動器系障害の病期分類

 【参考資料】運動器系障害の病期分類 その②