五臓と「感情」の関係

前回のコラムでは東洋医学の考え方のベースである「陰陽五行」と、「五臓(肝・心・脾・肺・腎)」との関係についてご紹介させていただきました。

(前回のコラム → 東洋医学の基本 ~陰陽五行説~

 

今回は「感情の持ち方によって傷める臓器が決まってくる」というお話です。

 

過ぎた「五志」により自分で自分を傷める

身体の生命活動を妨げる「邪気」のうち、身体の中で発生して悪影響を及ぼすものを「内邪」と呼びます。

「内邪」にも様々なものがあるのですが、身体に悪影響を及ぼす心の動きを「五志」と呼びます。

「五志」は、「怒・喜・思・憂・恐」に分けられ、いずれも過ぎると「五臓を傷める」とされています。

「五行」、「五臓」、「五志」の関係を書いてます。

 

怒 : 怒り過ぎると「肝」を傷めます。 「肝」が病んでいる人は怒りっぽくなるということもあります。

喜 : 「喜」または「笑」です。「喜ぶ」、「笑う」というのは悪くないような感じがするかもしれません。

ですが「テンション高すぎ」な状態が続くと「心」を傷めます。

そして「心」が傷んでいる人はヘンにテンションが上がったり、逆に笑いを忘れたようにふさぎ込むこともあります。

(※無理やり笑おうとしていると「心」に負担がかかることがあります。無理に明るく振舞おうとする時や、不自然なポジティブシンキングをしている人に多いですね。)

思 : 「思う」ということも過ぎると「脾」を傷めます。

「思い込む」、「思い悩む」など抜け出しにくい思考状態が続いている時ですね。

憂 : 「憂う」または「悲しむ」です。 このような感情が強くなりすぎると「肺」を傷めます。

恐 : 「恐れる」または「驚く」です。 ビクビク、オドオドし過ぎると「腎」を傷めます。

 


 

このような東洋医学の考え方は「概念的」なもので、西洋医学的な「エビデンスの有無」を語るものではありませんが、

ストレスから「感情」を乱し、それが身体へ悪影響を及ぼすという考え方は東洋医学でも西洋医学でも同じです。

「ストレス」と「感情」を適度にコントロールし、バランスを整えていくというのが健康を保つのに必要という事です。

 

「東洋医学」はバランス重視です。

バランスが取れて、「気」の乱れの無い「フラットな状態」が一番良いのですが、なかなかそうはいきません…。

「五志」については上記のような感情が「フラットな状態」を乱すことになります。

特に感情は自分のコントロールをすることが難しく、自力で何とかするというのは困難な場合が多いですね。

ですから第三者からの「カウンセリング」や「コーチング」などの支援対話が有効なことがあります。

「五志」の乱れから病的な状態に陥っている患者さんには、出来るだけ「フラットな状態」に近づいてもらえるようにと考えて治療を組み立てるようにしています。

 

 


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