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東洋医学のキホン ~陰陽五行説~
東洋医学の考え方は、現代医学のそれと合致するところと馴染まないところがありますが、色々と参考になるところがあるのも事実です。
読んでいただいて、何となく「なるほどね~」と感じるところがあれば幸いです。
陰陽五行説
東洋医学の考え方のベースには「陰陽」と「五行」というものがあります。
自然界に存在するもの全てが「陰陽」の性質と「五行(木・火・土・金・水)」の性質に分けられるという考え方です。
そして「陰陽」と「五行」が自然にバランスを取りながら循環していると捉えています。
例えば、昼間は「陽」で、夜は「陰」です。
「昼になったらそのうち夜になる」というのは当たり前で自然なサイクルです。
五行とは?
自然界に存在するものは「木・火・土・金・水」の5つの要素に分けられるという考え方です。
五行にも同じようにサイクルがあります。
「木が燃えて火が生まれる」
「燃えた火からは土が生まれる」
「土からは金(金属)が生まれる」
「金(金属)からは水が生まれる」
「水から木(植物)が生まれる」
…というサイクルです。(これを「相生(そうせい)関係」と呼びます。)
ちょっと「?」となるのは「金属から水が生まれる」ですかね? 金属の表面に「結露」と言って水滴がつく現象がありますね。そんな感じ。
このように自然界では「陰陽」と「五行」がバランスを取りながら循環しており、自然界に存在する「人間」にもそれが当てはまる。
それを生かしたものが「東洋医学」ということです。
ですから東洋医学では「バランス」を重視します。
「陽」が多過ぎてもいけませんし、「陰」が少な過ぎてもよくありません。
世間では何となく、「ポジティブ」が良くて「ネガティブ」はあまり良くないと考える風潮もありますが、東洋医学では両方がバランスを取っている状態が好ましいと考えます。 ですから「ネガティブ」をも許容していると言って良いのかもしれません。
五臓
五行は前述のように「木・火・土・金・水」の五つがあります。
この五つに人体の「臓器」を当てはめており、「五臓(肝・心・脾・肺・腎)」と呼ばれています。
現代医学でも「肝臓」とか「心臓」とかありますが、東洋医学での「五臓」と働きや病的な状態が一致するものもあれば全く違うものもあります。
その他、五臓と好む味との関係の「五味」や、五臓と皮膚の色の関係の「五色」などもあります。
五臓と五味の関係
五臓と五味の関係は以下のようになっています。
肝 : 酸(さん)… すっぱい
心 : 苦(く) … にがい
脾 : 甘(かん)… あまい
肺 : 辛(しん)… からい
腎 : 鹹(かん)… 塩辛い
例えば
すっぱいものを食べ過ぎると「肝を傷める」
塩辛いものを食べ過ぎると「腎を傷める」という考え方です。
逆に
肝が傷んでいる人はすっぱいものを食べたくなるとか、
腎が傷んでいる人は塩辛いものが欲しくなる、という場合もあります。
そういう情報を患者さんから聴取し、「症(しょう)」を立て、その患者さんに合った治療を組み立てていく、というのが東洋医学的なアプローチなわけです。
西洋医学、東洋医学の考え方には違いはありますが、いずれにしてもバランスは重要なことです。
体調が思わしくない時にはまず、ご自身の生活や身体の状態をみて、「過ぎたところはないか?」、「足りないものはないか?」を見てみると健康への道筋が見えてくるかもしれません。
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