首こりから起こる吐き気の原因と対処法、自宅で出来るストレッチ法

首のこりがひどくなると吐き気を感じることは珍しくありません。
首すじの筋肉が硬くなることで脳血流が悪くなり、自律神経バランスが崩れて嘔吐中枢が刺激されるためと考えられています。さらにそこに精神的ストレスが加わると、筋肉が緊張して硬くなって首こりが強くなるという悪循環に陥ります。

この記事では、首こりの原因と対処法、自分で出来るケアをご紹介します。
セルフケアの方法は当院で患者さんに指導させてもらっているものなので、ぜひ実践してみてください。

 

首こりから吐き気を起こす原因

後頭部から首すじ、背中にかけての筋肉が硬くなり過ぎると、脳血流の悪化から脳が酸素不足と二酸化炭素過多を起こし、嘔吐中枢を刺激するようになります。

こりが強くあらわれる場所によっては、頭痛やめまい、腕のだるさや痺れがみられたり、背骨の横を通る自律神経が絞めつけられたりすることで自律神経失調症を起こすこともあります。

 

加齢

ヒトの身体は年を取ると水分量が減ってきます。頚椎と頚椎の間でクッションの役割をしている椎間板の水分量が減ってくると、頚椎や首すじの筋肉への衝撃を吸収しきれずに負担が大きくなりこりを起こしやすくなります。

首への負担が大きくなる姿勢、動作

長時間のデスクワーク、パソコンやスマホの使用などは首すじの筋肉への負担が大きく、その蓄積によってこりが強くなっていきます。

背中が丸くなっていたり、左右どちらかの肩が上がっていたり下がっていたりする不良姿勢もこりの原因となります。

特にパソコン、スマホは目にも負担をかけて眼精疲労を起こし、首のこりをさらに悪化させていきます。

枕の高さが合わないことも首こりの原因となります。高枕や横寝、うつ伏せ寝も頚椎への負担が増えるため首すじの筋肉の過緊張を引き起こします。

 

首の骨の歪み(頚椎の歪み)

正常な頚椎は少し反ってS字状にカーブしています。そのカーブが無くなり真っすぐな状態になったストレートネックや猫背になると、首すじの筋肉の負担が増えてこりやすくなります。

頚椎は7つありますが、どこかにズレが起こると周囲の筋肉への負担が増えて過緊張を起こしたり神経を圧迫することでこりを悪化させてしまいます。

※ 首の骨の歪み、ずれは首こりだけでなく、椎間板ヘルニアや変形性頚椎症の原因となることがあります。詳しくはこちらの記事: 首がずれている? ~頚椎配列異常(アライメント異常)による諸症状~ を合わせてお読みください。

精神的ストレス

ストレスによって身体は防御反応を起こし、筋肉は緊張して硬くなります。

正常ならば、ストレスが無くなると防御反応が解かれ、筋肉はリラックスしてやわらかくなります。

ストレスが大き過ぎたり長期にわたると筋肉はやわらかくならず、こりやすくなるのです。

さらに精神的なストレスは脳への負担が増え、自律神経バランスの崩れから吐き気を起こしやすくなります

 

※ ストレスによる首こりは、筋肉をリラックスさせてやわらかくすることが必要です。日常的にストレス過多を感じている方は、こちらの記事: ストレスによる肩こり、首こりの解消法 ~自宅で出来るセルフケア 筋リラクセーション法~ をお読みください。

首すじの冷え

夏はクーラー、冬は寒さで首すじが冷えると血流が悪くなりこりやすくなります。

首すじから左右の肩甲骨の間には「褐色脂肪細胞」が多く分布しています。

「褐色脂肪細胞」は脂肪を燃焼して体熱産生を行なっていますが、冷えにより働きが鈍ると血流が悪くなってこりが改善しにくくなります。

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首こりからの吐き気は、上記のような原因から首すじの筋肉が硬くなり、脳血流の低下、嘔吐中枢が刺激されることで起こります。
他にも吐き気の原因には以下のようなものもあります。

吐き気の原因

日常生活での原因

  • 食べ過ぎ、飲み過ぎ、不規則な食習慣
  • 薬の副作用
  • 乗り物酔い

疾患によるもの

  • 胃炎(急性胃炎、慢性胃炎)
  • 胃潰瘍、十二指腸潰瘍
  • 逆流性食道炎
  • メニエール病
  • 更年期障害
  • 自律神経失調症

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こり過ぎると吐き気を起こす筋肉

首こりを起こす筋肉には下図のようなものがあります。

このうち「頭・頚板状筋」、「頭半棘筋」がこり過ぎると、背骨の横を通る自律神経を締めつけてしまい自律神経失調症から吐き気を起こすようになります。

 

首こりから頭痛を起こすこともある

首がこり過ぎると吐き気だけでなく頭痛を起こすことも珍しくありません。

頭の骨と頚椎の間にある「後頭下筋」や「頭半棘筋」がこり過ぎると、「大後頭神経」を締めつけて筋緊張性頭痛を起こしやすくなります。

吐き気を伴う首こりの対処法、予防法

1.じゅうぶんな休息、睡眠

「疲労」はこりの大きな原因です。過度の労働は避け、じゅうぶんに休息するようにしましょう。

疲労回復のためにもっとも有効なものは「睡眠」です。

個人差はありますが、疲労回復のために必要な睡眠時間は「7~8時間」といわれています。

休日に睡眠負債を解消するのではなく、日頃から睡眠時間はじゅうぶんにとるようにしましょう。

2.ゆっくりとお風呂に浸かる

入浴も疲労回復には効果的です。

ぬるめのお湯(39℃~40℃)にゆっくりと浸かると筋肉の疲労と自律神経の疲労回復に効果があることが研究で分かっています。

(※ 疲労回復のための「入浴法」についてはこちらの記事: 自律神経を整える ~適温のお風呂~ で詳しく解説しています。合わせてお読みください。

3.良い姿勢を心がける

デスクワーク時に背中が丸くなったり前かがみの姿勢になると肩こりや首こりを悪化させます。出来るだけ体幹を真っすぐにして背筋が伸ばした姿勢で作業出来るように工夫してみましょう。

寝る時の「高まくら」や「うつ伏せ寝」の習慣は頚椎に負担が大きく、肩こりや首こりの原因となるので注意が必要です。

4.ストレスをためない、適度にストレス解消

ストレスは筋肉の緊張と自律神経の緊張を強くします。出来れば「ストレスを感じない」のが理想ですが、それは難しいので適度に「ストレス解消」をしましょう。

緊張した身体や神経を「リラックスした状態に切り替えるもの」を探してみましょう。

「ヨガ」や「筋トレ」などの運動でも良いですし、「音楽」や「アロマ」など、何でも構いません。

5.適度な運動習慣

運動不足解消、筋力低下を防ぐために適度な運動を習慣にしましょう。

筋力アップを行なえると疲労しにくくなりますし、疲労したとしても回復が早くなります。

筋肉を動かした後は脱力してリラックス出来ますので、ストレス解消にもなります。

吐き気や頭痛を起こす首こりをやわらげるストレッチ

吐き気や頭痛を起こす筋肉をやわらかくするためのストレッチをご紹介します。

緊張を取るストレッチは強くやれば良いわけではなく、身体をリラックスさせるためのものですから出来るだけゆっくり時間をかけて行うようにしましょう。(各3~5分を3セット)

首すじのストレッチ

 

肩甲骨周りのストレッチ

首筋から背中にかけての筋肉と、胸周りの筋肉をほぐすストレッチです。

座った状態で両手でタオルを持った状態から、腕を上に伸ばしていきます。

その後、腕を曲げて最初のポジションに戻り、腕を伸ばすのを繰り返します。(10~15回)

 

当院では、吐き気や頭痛を起こす首こりに対して、頚椎側筋の筋線維配列の正常化と頚椎配列の正常化を目的とした治療を行なっております。詳しくはこちらの記事: 首こりに対する治療法 をお読みください。

【初回無料カウンセリングのご案内】

当院では「初回無料カウンセリング」を行っておりますので、お困りの方はご活用ください。

「初回無料カウンセリング」では、お困りの症状について問診、各種スクリーニングを受けていただいた後、「原因」を見つけ出し、それに応じた治療法、治療の組み立てをご提案させていただきます。

(初回カウンセリング時の治療は行っておりませんのでご了承ください)

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