筋肉の「癒着」、「線維化」

筋組織の癒着、線維化について

正常な筋肉組織は適度な水分を含んで軟らかく、伸び縮みしやすいものですが、
加齢やスポーツや事故などの怪我、日常生活での微細損傷の繰り返しなどで正常な細胞に再生されないと徐々に硬くなっていきます。

筋肉組織は、細い「筋線維」が集まって出来ています。

 

運動不足などが続くと、この筋線維同士がくっついて「癒着」を起こしてしまいます。そのままだとどんどん硬くなり、筋肉が伸び縮みしににくなります。

硬くなってくると「コリ感」や「痛み」、「痺れ」など様々な症状があらわれたり、
それら不快症状によって集中力の低下や精神不安定性、自律神経失調症やうつ状態を惹き起こすようになることもあります。

筋肉組織が硬くなった状態が長期に及ぶと、局所の血行が悪くなり、筋肉へ酸素や栄養の供給が減ってしまいます。
そうなると筋肉は疲労しやすくなりますし、疲労からの回復も遅くなります。

局所の血行の悪さは、筋肉細胞の入れ替わりにも悪影響を与えます。筋肉細胞は2〜3ヶ月のサイクルで古い細胞と新しい細胞が入れ替わりますが、局所の血行が悪い状態ではそのサイクルも鈍くなり、血行が悪いため酸素や栄養の供給が乏しく、新しく作られる細胞は硬くなって「線維化」という状態になります。

「癒着」、「線維化」してしまった筋肉は強いコリ感や痛みを出すようになりますし、柔軟性が無くなって伸び縮みしにくいため傷めやすく「ギックリ腰」や「寝違え」などを起こしやすくなります。

 

「癒着」、「線維化」した筋肉は正常な筋肉組織ではなくなってしまっていますので、単に揉みほぐしたりストレッチなどでは完治することは無く(一時的な改善はみられますが)、細胞レベル、組織レベルで正常細胞への入れ替わりを目的とした治療が必要となります。

 

※ 治療法の例は下記記事をお読みください。

→ 後頭下筋への治療についての考察(トリガーポイント、頚性神経筋症候群、筋硬結など)