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「うつ」と肩こり、首こりの関係
肩こりや首こりの患者さんはとても多くみられます。
原因もさまざまで、運動不足や長時間のパソコンやスマホの使用などが一般的ですが、内科疾患の症状としてみられることもあります。
ストレスによって悪化する「うつ」や「適応障害」なども肩こりや首こりの原因となり、それらの症状は一般的なこりよりも強く、慢性化しやすい傾向にあります。
ですから、うつで肩こりにお困りの方はお薬を使ったりマッサージや整体、鍼灸治療などを受けたりしていますが、なかなか治りにくいようです。
この記事ではうつと肩こり、首こりの関係、メカニズムをご紹介し、治療法について解説していますので最後までお読みになって参考にしてくださいね。
うつでみられる肩こりは正常な防御反応
うつ、うつ病では、気分が落ち込む、何をしても楽しくないといった精神的な症状と、食欲不振、性欲減退、不眠、易疲労性、倦怠感、胃部不快感、便秘や下痢、めまい、口渇、動悸、頭痛などの身体的症状がみられることがあります。
特に、うつの患者さんにはほとんどの場合、「肩こり」や「首こり」などの身体症状がみられます。
これは、ヒトという動物に備わった防御反応のひとつです。
ヒトの身体はストレスを受けると、筋肉が緊張して硬くなって身体を守ろうとします。これは動物が持つ防御機構で正常な反応で、ストレスが無くなれば緊張は解かれます。
しかし、ストレスが強過ぎたり長引き過ぎると緊張が解けず、筋肉が硬いままになり肩こりや首こりなどの症状が出てくるようになるのです。
うつから起こる自律神経失調症
ストレスはさらに自律神経にもダメージを与えるようになります。
自律神経には身体を活発に活動させるために働く「交感神経」と、身体をリラックスさせて回復に働く「副交感神経」の2種類がありバランスを取って身体を調節しています。
自律神経は心臓や胃腸などの内臓、血管や目、耳などの感覚器の調節をしているので、ストレスからうつが悪化し自律神経のバランスが崩れると、上記のような身体的症状がみられるようになるわけです。
うつが原因の肩こりに使われるお薬
ストレスによる筋肉の緊張から悪化する肩こり、首こりにはお薬が使われることもあります。
筋緊張をやわらげるための抗不安薬や筋弛緩薬が一般的ですが、血行を良くするために漢方薬が使われることもあります。
うつと肩こり、頭痛の関係
前述のようにうつの患者さんには「肩こり」や「首こり」がみられます。
特に後頭部やうなじ、耳の後ろあたりのこりを訴えることが多く、ストレスや不安が大きくなると症状が悪化するという方が多いです。
頭には大事な脳があり、ストレスを感じるとそこを守るために筋肉が硬くなるのだと考えられます。
頭と頚椎の間にある「後頭下筋」という筋肉がこり過ぎると筋緊張性頭痛が起こることはよく知られています。
後頭下筋がこり過ぎて硬くなり過ぎると「大後頭神経」という神経を圧迫し、頭痛だけでなくめまいや吐き気の原因となることもあります。
(※ 肩こり、首こりに「吐き気」が伴う場合はこちらの記事: 首こりから起こる吐き気の原因と対処法、自宅で出来るストレッチ法 も合わせてお読みください。)
うつと肩こり、自律神経失調症の関係
肩こりや首こりの場所によっては自律神経失調症がみられることがあります。
頚椎から胸椎の横は自律神経(交感神経)が通っています。(交感神経幹といいます)
この周囲の筋肉がこり過ぎると、自律神経を圧迫して働きが鈍くなるため自律神経失調症状が起こるようになるのです。
(右側の図の濃いピンク色の部分が交感神経です。首まわりの筋肉のこりだけでなく頚椎のズレから自律神経失調症は起こることもあります。)
肩こり、首こりから起こる「頚性うつ」
近年、肩こりや首こりなど頚部の筋肉の異常から起こる「頚性うつ」についての研究報告が増えています。
「うつ病」は気分障害のひとつで、脳内神経伝達物質(セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンなど)の減少によって起こる「脳の病気」と考えられています。
「頚性うつ」は脳の病気であるうつ病ではなく首こりを引き金として起こるもので、うつの標準治療である抗不安薬や筋弛緩薬などが効果しにくいといわれています。
憂うつな気分が続く、興味や楽しみを感じにくくなる、やる気が出ない、集中力の低下などのうつでみられる精神症状だけでなく、重度の、慢性的な首こり、肩こり、全身のだるさや倦怠感、易疲労感などがみられます。
その他、頭痛やめまい、耳鳴り、多汗、不眠、血圧不安定、うつ状態など、いわゆる「自律神経失調症」の症状がみられるようになります。
これらの症状のために各科の病院を訪れても、検査で異常が見つかることが少なく「不定愁訴」、「気のせい」とされ、適切な治療がされていないケースが多いのですが、首の筋肉を含めた頚椎治療で症状は軽減します。
(※ 当院での肩こり、うつへの治療についてはこちらの記事: 頚性うつへの治療法 ~物理的ストレスからくる症状を取り除く~ をお読みください。)
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