腰痛のレッドフラッグサイン

頭が痛いのは「脳腫瘍」?

日々、患者さんと接していると色々な相談を受けます。

「頭が痛いのは『脳腫瘍』かなぁ?」とか

 

 

「腰が痛いのは『癌』ですか?」とか。

 

人は痛みがあると不安になりますので気持ちはわかります。

ただ上記のようなのは飛躍しすぎ。

確かに脳腫瘍だと頭痛が出ますし、腰椎に癌転移が起これば腰が痛くなります。

けれどそれだけじゃないんですね。

コワイ病気の場合、頭痛や腰痛以外の症状も出ます。

脳腫瘍であれば急に視力が悪くなったり、癌であれば急に痩せてくるとか。

頭痛とか腰痛だけじゃなく、その他に「ある特有の症状」も一緒に出てくる場合は「コワイ病気かも?」と疑うワケです。


レッドフラッグサイン

「コワイ病気」を疑わないといけない項目を「レッドフラッグサイン」と言います。

これらの項目に当てはまる場合は「重篤な疾患が隠れている可能性がある」ので、精密検査などが必要となります。

 

【腰痛のレッドフラッグサイン】

● 発症年齢が20歳未満か55歳超
● 最近の激しい外傷歴(高所からの転落、交通事故など)
● 進行性の絶え間ない痛み(夜間痛、楽な姿勢がない、動作と無関係)
● 胸部痛
● 悪性腫瘍の病歴
● 長期間にわたる副腎皮質ホルモン(ステロイド剤)の使用歴
● 非合法薬物の静脈注射、免疫抑制剤の使用、HIVの感染
● 全般的な体調不良
● 原因不明の体重減少
● 腰部の強い屈曲制限の持続
● 脊椎叩打痛
● 身体の変形
● 発熱
● 膀胱直腸障害とサドル麻痺

上記に当てはまる場合に考えられる重篤な疾患としては
悪性腫瘍(癌)と癌転移による病的骨折、脊椎感染症、解離性大動脈瘤、強直性脊椎炎、馬尾症候群
…などです。

これらは難病指定されていたり、命に関わるものもありますので見逃せないワケです。

痛みがあったり体調がすぐれないと「悪い病気なのかも?」と不安になると思いますが、あまり飛躍しすぎてしまうと不安だけが大きくなってしまいます。

上記に当てはまらないのであれば「とりあえずは大丈夫」と落ち着いて、きちんと治す方法を考えましょう。

「大丈夫みたいだから放置」だけはおススメできませんよ。