「五十肩」について ①  ~色んな種類があります~

「五十肩」について何度かに分けて書きます。

ある一定年齢(中年期以降)で、肩関節に痛みや動かしにくいという症状を訴えるものは「五十肩」と言われるのですが、「五十肩」というのは俗称で、正式な疾患名ではありません。

以前のブログでも書きましたが、関節(や関節の周囲)に痛みが出る場合、
①筋肉
②腱
③関節包(関節を包んでいる袋)
④軟骨
⑤骨
⑥神経
⑦それ以外
に何か問題が発生しており、しかも一つだけに問題が発生しているわけではなく、いくつかが混在しています。

 

五十肩も同じように上記のいずれかに問題が発生しており、
かなりザックリ分類すると

①肩を動かす筋肉や腱が傷ついて炎症を起こしているもの
②肩の関節を包んでいる袋が固くなって伸び縮みしにくい状態になっているもの
③関節の中にカルシウムがたまり、固まってしまって動かしにくくなっているもの

となります。

①のような場合、肩関節を動かす筋肉もたくさんありますので、どこの筋肉を痛めているのか?によって診断名が変わります。(腱板損傷とか上腕二頭筋腱損傷とか色々あります)

肩を動かす筋肉をスポーツなどで傷めてしまうこともありますが、日常生活の動作や姿勢で徐々に傷めてしまうこともあります。

日常生活で傷めてしまう理由は、運動不足による筋力低下や加齢による筋肉の脆弱化によるものです。
(つまり「弱く、もろくなっていたので傷めやすい状態になっていた」ということです。)

傷めた筋組織は炎症を起こします。炎症が強いとズキズキ痛むこともあります。
傷めているということはキズついているということなので、動かせばキズがひらくので痛みが出ます。
ですが炎症が落ち着いて、キズが修復されると痛みはおさまりますし、動かしても痛くなくなります。
(よく「放っておいても治る」と言われていますが、①の状態であれば炎症が落ち着けば痛みもおさまりますのでその事を言っているのでしょう。)

炎症が落ち着いて、修復された筋組織が正常組織であれば良いのですが、多くの場合は元の状態に修復されることは少なく、硬い筋組織になってしまいます。
硬い筋組織になるということは「症状がなくても潜在的に傷めやすい状態」といえます。
硬い筋組織は伸び縮みしにくいので日常生活の動作の範囲でも傷めてしまいやすいのです。(再発の可能性が高い)

そして筋組織が硬い状態が続くと、関節を包んでいる関節包までもが硬くなり癒着を起こすようになります。
関節包が癒着を起こすと関節が動かしにくくなり、上記と同じように日常生活の動作範囲の中でも傷めやすくなります。(②の状態)

 

傷める → 修復する(けれど「正常組織」ではない) → 弱くもろくなる → 傷める → 修復する(けれど「正常組織」ではない)→ (繰り返し)
…ということを何度も繰り返していくうちに、関節の中にカルシウムが沈着するようになり関節が固まって動かなくなるケースもあります。(③の状態)

ですから五十肩は、初期の①からはじまり、いったん筋肉の炎症が落ち着いて痛みがなくなっても、加齢により筋肉がもろく痛めやすくなっているとまた筋肉を痛めて炎症を起こし、またそれが落ち着いてもまたまた痛め、という事を繰り返していくうちに②に進行していき、最終的には③の状態へ進行していく…のです。

(こういうことを何度も何度も、何年も繰り返すうちに50歳くらいになってしまうわけですね)

 

五十肩は
「冷やした方が良いの? 温めたほうが良いの?」
「動かした方が良いの? 動かさない方が良いの?」
など色々と聞かれるのですが、その状態によって対処は変えないといけません。

次回は対処法を書こうと思います。