寝違え

朝、起きたら首が痛かった

目覚めると首に痛みが出るのはいわゆる「寝違え損傷」の一つです。

枕がずれて変な姿勢で寝てしまったり、うつ伏せで寝る習慣がある人に起こりやすかったり、

休みの日に「疲れてるから…」とお昼前くらいまで寝ちゃった時などもに起こったりします。

(うっかり「ソファーで寝てしまった」とかも多いです。)

※「寝違え」とか「筋違え」とか言いますが、同じものと思ってもらって良いです。

 

頚部の筋肉の損傷や、靭帯や軟骨を含めた関節の損傷の総称ですが、どこを傷めているのか?によって治るまでの期間も治療法も変わります。

 

「筋肉」を傷めているだけで済んでいれば数日もあれば治ります。

しかし、「何度も寝違えを起こしている」のであれば背骨の関節(椎間関節)まで傷めていたり、

「変形性頚椎症」を合併しているケースもありますので注意が必要です。

 

寝違えで痛めやすいところ(筋肉)

多くの場合、首筋から背中にかけての「筋肉」を痛めています。

上記のような筋肉を傷めていることが多いですが、程度によっては背骨の関節の損傷も合併しています。

寝違えで痛めやすいところ(椎間関節)

「関節を傷めている」という場合、筋肉を傷めているよりも「重症」と思ってください。

(軟骨や靭帯、椎間板なども傷めているということになりますので)

 

 


傷めているというのは「キズ口が出来ている」というのことなので、出来るだけ動かさないようにしておきましょう。

痛めてしまった患者さんは、「右向くと痛いな」とか「首を反らすと痛いな」とか、「痛みを確認しがち」なのですが、これは「自分でキズ口を広げている」ことになりますのでやめておきましょう。

 

筋肉の修復には「2~3週間」、関節の修復には「3~4週間」は必要ですので、ヘンに触ったり動かしたりしてこじらせないようにしないといけません。

何となくイタ気持ち良いような感じがするからといって、揉んだり押したり筋を伸ばしたりすると「キズ口」を余計に広げる可能性がありますので気をつけてください。

 

応急処置として

ご自身で行う応急処置としては「アイシング」が望ましいです。

こちらに詳しく書いてありますので参考にしてください。

( → 応急処置の基本(RICE処置) )

 

痛めたところは「炎症」を起こしますので、「お風呂」は控えた方が良いでしょう。

痛みが出ると「冷やす方が良いの?」「温める方が良いの?」と迷う方が多いですが、炎症が起きている場合は温めるのは禁忌です。

「温めると痛みがマシになる」ように思われる方も多いのですが、温熱によって感覚がぼやけているだけなので、上記のような「キズ口」がふさがるわけでもなく、「炎症」が止まるわけでもありません。

少なくとも「当日」はお風呂は控えておきましょう。

(入浴について詳しくはこちらへ → お風呂に入っても良いですか? 

 

痛みがなかなか取れない場合

4週間以上痛みが取れなかったり違和感が残るようであれば、「椎間関節のズレ」や「肋骨の問題」を考慮します。

「肋椎関節」は背骨と肋骨の継ぎ目になっているところです。

なかなか痛みが取れない場合、この部分のズレが元の位置に戻っていないことがあります。

肋骨は、後面はこの「肋椎関節」で背骨とつながり、全面は「胸肋関節」で胸骨とつながっています。

肋骨は、息を吸ったり吐いたりする時に動きますので、呼吸時の痛みが出ることもあります。

 

肋椎関節を痛めているかどうかは、軽く「深呼吸」することで確認できます。

大きく息を吸った時に、背中だけでなく胸のところ(下図参照)にも痛みや違和感が出る場合、肋骨が少しずれている可能性があります。

通常であればズレて痛めた肋骨も、正常であれば徐々に元の位置に戻るのですが、うまく戻らない場合は痛みがなかなかとまりません。

あと、「横寝」や「うつ伏せ寝」の習慣がある方は、寝て下になったところから圧迫されやすいので、正常な位置に戻りにくいので、もしもそういう習慣がある方はあらためていくようにしましょう。

 

それでもなかなか痛みが取れない場合

元々、首がずれていたり、肋骨がズレていたりする方は、一度痛めるとなかなか痛みがとれません。

自己矯正力が弱くなっていて、元の位置に自力では戻らないからです。

そういう場合、放置しておくと「ズレた位置で固定化」してしまう可能性が高いので、クセになったり再負傷することが多いです。

そして痛めた部分の周囲の筋肉が、どんどん硬くなり、血行が悪くなったり神経を締め付けたりして「手の痺れ」が出ることもあるので注意です。

出来るだけ早めに適切な処置を受けるようにしてくださいね。

 


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