妊婦さんのマイナートラブル ~腰痛~

妊娠時には「マイナートラブル」と言われる様々な不快症状が出ることがあります。
「つわり」に代表されるようなものから、便秘や頻尿、腰痛や肩こり、倦怠感やうつ症状など多岐にわたります。
明確な定義があるのではないのですが、一般的には

『女性の不快症状および微症状のうち、妊娠によって非妊娠時よりも好発し、
医学的には問題が少なく、母児への影響は少ないとされているもの』

をマイナートラブルと呼んでいます。

今回はこれらマイナートラブルの中でよくみられる「腰痛」についてのお話です。


腰部の筋肉の痛み

 

ある研究によると妊娠34週を過ぎたあたりから腰痛の訴えが多くなり、

出産後1カ月を経過しても半数以上の人が腰痛を訴えているようです。

 

妊婦さんの腰痛には、「腰や骨盤周囲の筋肉の痛み」や「骨盤の関節(仙腸関節)周辺の痛み」などがありますが、

中でも腰部の筋群の「疲労性の痛み」は妊娠初期から頻繁にあらわれます。

 

妊娠すると子宮の中で赤ちゃんがどんどん大きくなり、妊婦さんのお腹は前に出てくるため上半身の重心が前方に移動します。

そのままだと倒れてしまいますから腰を反らしてバランスを取るようになります。

この状態が続くと腰の筋肉が働きすぎ、筋肉に疲労が蓄積されてきて痛みが出てくるようになるのです。

 

十分に休むことが出来れば痛みは軽減しますが、妊娠してから出産するまで(場合によっては出産後も)

妊婦さんは身体を休めることは難しいですよね…。

だからと言って「妊娠してるんだから仕方ない…。」とあきらめちゃうのもどうかなと思います。

 

骨盤の関節(仙腸関節)周辺の痛み

妊娠36週を過ぎたあたりから増えてくるのが「仙腸関節周囲の痛み」です。

(患者さんは「腰の下のほうが痛い」とよくおっしゃいます。)

 

【仙腸関節とその周囲の靭帯の図】

「仙腸関節」はたくさんの靭帯に守られているため、通常はなかなか痛めることは少ないところです。

しかし、妊娠中には「リラキシン」というホルモンによって靭帯が軟らかくなります。

靭帯を軟らかくして出産時に骨盤が開きやすいようにしているのですが、

靭帯が軟らかいということは「靭帯を伸ばして痛めやすい」ということにもなりますし、

痛めすぎると骨盤が不安定になり、様々な症状につながることがあります。

(そういうものを「骨盤輪不安定症」と言います。詳しくはこちらへ → ~骨盤輪不安定症~ )

 

ですから妊娠中から出産後には、この「仙腸関節」を痛めないように守ってあげる必要があります。

「骨盤ベルト」や「腹帯」などを巻いて骨盤を守るようにするのが良いのですが、

我流で巻いている方も多いため、出来ればキチンと指導を受けてもらうほうが良いと思います。

(骨盤ベルトについてはこちらの記事も参考に → 妊婦さんの腰痛

 

 

 

当院では妊婦さんの以下のような「産前・産後ケア」を積極的に行っております。

〇 妊婦さんの「身体ケア」

〇 妊婦さんの「運動指導」「栄養指導」

〇 提携助産師さんによる「メンタルサポート」

 

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