カラダが歪む理由 ~子供の運動発達の観点から~

2019.12.10

よくカラダが「歪んでいる」とか「ズレている」とかという話が出てきますが、なぜそんなことが起こるのでしょうか?

ケガや事故などが原因となっていることもありますが、実はほとんどの場合「日常生活動作」に問題があります。

その理由は「赤ちゃんの成長、発達」をみるとよくわかります。

 


少し前からある勉強会に参加しています。

名古屋の小児リハビリテーション専門医 多和田 忍先生主催の「からだの障がい児スマートケア実践塾」という勉強会で、

放課後等デイサービスや発達支援事業所のスタッフの方と一緒に、基礎から学びなおしております。

多和田先生は名古屋の「たわだリハビリクリニック」の院長先生で、

障がい児、障がい者の方たちの診察、治療、リハビリを専門とされています。

 

障がい児を支援する施設は増えてきていますが、

保護者の方や現場スタッフの人達が「知らないことによる事故を防ぐ」ため、「知ることで障がい児のケアが充実させる」ための活動として勉強会を開催されています。

( こちらを参考に → 「からだの障がい児スマートケア実践塾」

 


講座の中で「こどもの発達」を学びました。

胎児はお母さんのお腹の中にいるうちから「運動」しています。

お腹の中で少しずつ脳や神経器官が発達し、モソモソと身体を動かすようになって手足の筋肉を鍛えているワケです。

 

お腹の中では「羊水」に守られていますが、生まれてきたら「重力」の負荷をダイレクトに受けるため、それに打ち勝つための力が育ってきます。

生まれてすぐはゴロンと横たわっているだけですが、手足をバタバタさせたり、首や体幹を反らしたりして筋肉を育て、骨格を強くしていくワケです。

 


そういう発達過程を再度見直していると、とても興味深いことが分かります。

新生児期には「リコイル現象」といって、手足をビヨ~ンと伸ばすと筋肉の働きで元に戻るという動きをします。

これは左右の両手両足を「伸ばして元の位置に戻る」ことで、

自分の身体の「正中線(身体の真ん中のこと)」の位置を認識しながら整えるという動きです。

もう少し大きくなってくると、うつ伏せになると身体を反らすようになり背筋が鍛えられ、手で上半身を支えて身体を起こそうとする動きがみられるようになります。

この時期(生後2~3か月)の動きはまだ「左右対称性」ですが、生後4か月くらいから「交互性」の動きをし始め、5か月めくらいから「非対称性」「分離性」の動きが出来るようになります。

左右の手足の動きを分離して行えるようになるので、動きの幅もバリエーションも拡がって、どんどん全身の骨格や筋肉が育っていくワケですね。

動きのバリエーションは増えてくるのですが、よくみると「正中線」は保たれています。

色んな動きをしてはいるけれど、片方だけを動かすのではなく「まんべんなく」動かすことで軸を保っているワケですね。

 

けれど、もしこの時期に「偏った動き」しかしなければどうなるでしょうか?

当然のことながら左右の手足がバランスよく動かなければ「真ん中」の位置は維持できませんから、

バランスよく育つことができなくなります。

 

バランス良く動かしていなければ「正中線」を保てず、

身体が骨格的にも筋肉的にも崩れた状態になるのは我々大人でも同じですね。

 

崩れた状態で日々の生活を過ごせば様々なストレスが一部に集中してしまい、

その事が痛みや症状につながる可能性は高まります。

 

ほとんどの人の「日常生活動作」は、効率を重視するあまりかなり「偏ったもの」になっています。

足を組む、横寝をする、横座りをする、片噛みをする、立っている時に左右どちらかの足に重心を置く、カバンを左右どちらかの肩にかける

マウスを右手で使う、お箸は右手(左手)で使う、歯を右手(左手)で磨く

…数えるとキリがありません。。。

 

偏った動きや姿勢は必ず「偏った身体」を作ってしまいます。

逆に言えば、日々の生活の中で「バランスよく動かす」ということを意識していれば崩れた身体はリセットされ、

徐々に「整った身体」に戻すことが出来るということですね。

 

 


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